オリックス・フロントトップの「智弁学園より弱い」発言への賛否
間違いなく失言の部類だろう。 オリックスの瀬戸山球団本部長の「智弁学園より弱い」発言である。初回に先発の近藤一樹が6安打を集中されて5点を奪われ、反撃なきまま横浜DeNAに0-7の完封で敗れた11日の試合後に、よほど頭にきたのか、日刊スポーツの記者に対して口にしたものが報じられた。 翌日にも改めて「こんな試合をしていてはファンに失礼。私たち(フロント)の責任でもあるが、闘志、覇気を見せていない。それができない選手は、今すぐユニホームを脱いでもらいたい。選手にも、これまでもそういう話はしている。彼らに直接、智弁学園より弱いという表現はしないが、それほど情けない試合をしている」と、発言の意図を説明した。だが瀬戸山発言は、チームに響かずにまたもや完封負けを喫して4連敗。パ・リーグの最下位に沈んでいる。 代表の怒りも、チームへの檄のつもりだったことも理解できる。言っていることも正しい。だが、暗黒時代の阪神が、「PL学園より弱い」と揶揄されたことが多々あったが、それを球団の人間が口にしたことはない。ファンが、居酒屋談義で面白おかしく話しているレベルの話である。 プロ球団の事実上のフロントトップが、今年の選抜甲子園の優勝チームよりもプロが弱いと口にしてしまったこと対して、チームの内外から賛否が噴出している。 元ヤクルト、西武の監督で、ロッテではGMとしてフロントトップを経験している広岡達朗氏も、あきれた表情で、こんな意見を述べた。 「まず先にあなたが辞めなさい! と、こういう発言をしたフロントトップに言いたいね。智弁学園より弱いチームを誰が作ったのか? ということ。フロントの編成能力がないから弱いのだ。2年前に外国人とFAで大型補強をして優勝候補と呼ばれたが、やみくもに金をかけて選手を集めたから勝てるというものではない。オリックスは、明らかにチームバランスを崩してしまった。しかも、チーム強化に計画性が見られない。それはフロントの責任なのだ。 そして、現場の監督、コーチの責任も大きい。私は、昨年限りで辞めた森脇監督のままで良かったと思ったが、なぜ監督を途中で代えたのかもよくわからない。オリックスにはいい選手がたくさんいるのに、監督、コーチの教え方、ゲームマネジメントも間違っているのだ。では、その監督、コーチを選んだのは誰か? と言えばフロントだろう」