円は対ドルで154円台半ば、財務官発言と賃金上昇で一時円買い
(ブルームバーグ): 7日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=154円台半ばで推移。三村淳財務官が行き過ぎた動きに対して適切な対応をとると述べたことに加え、9月の所定内給与が1993年1月以来の高い伸びとなって日本銀行の早期利上げ観測も高まり、円が買われる場面もあったが上昇は限られた。
三村財務官は7日、為替相場で円安が進行していることを受け、行き過ぎた動きに対しては適切な対応をとると市場をけん制した。財務省内で記者団に語った。厚生労働省が同日発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、9月の所定内給与は前年同月比2.6%増となった。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は「流れは完全にドル高になっており、三村財務官の発言も賃金の上昇も円安抑制にはあまり効いていない」と指摘。ドルが一時154円台前半まで下げたのは利益確定の売りにすぎず、短期的に155円を付けにいき、年内に160円を目指すとの見方を示した。
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Masahiro Hidaka