東電、復興と廃炉向け経営改革 小早川社長が年頭あいさつ
東京電力ホールディングスの小早川智明社長は6日、廃炉作業が続く福島第1原発で社員に年頭のあいさつを行い、事故からの被災地復興と、廃炉の着実な推進への決意を新たにした。「最大の使命である福島への責任を果たすために、グループ一体となった経営改革の実行が求められている」と述べた。 第1原発では昨年11月、2号機で溶融核燃料(デブリ)の採取に初めて成功。1~3号機で計880トンと推計されるデブリを確実に取り出せるかどうかが廃炉完了の焦点となる。 小早川氏はあいさつの後、報道陣の取材に「本格的な取り出し計画の精査をしていく。廃炉に向けた大きなターニングポイントになる」と強調した。 経営再建の鍵を握る柏崎刈羽原発(新潟県)再稼働の準備を進めるが、地元の同意を得られる見通しは立っていない。「対話をベースとした信頼構築が重要で、地元の皆さんの信頼の先に再稼働の理解が得られる。一歩一歩着実に進めていく」と語った。
福島第1原発事故以降、東電の社長は通例、福島県で年頭あいさつを行っている。