【フィギュア】「すごくない?」坂本花織 日本勢表彰台独占の原動力は〝意識高い系〟
世界女王が明かす大躍進の要因は――。フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯最終日(9日、東京・国立代々木競技場)、女子フリーは坂本花織(シスメックス)が152・95点、合計231・88点で3年ぶり3度目の優勝。2位に千葉百音(木下アカデミー)、3位には青木祐奈(MFアカデミー)が入り、同大会で16年ぶりに日本女子勢が表彰台を独占した。 今季のGPシリーズで日本女子勢が表彰台を独占したのは、第2戦スケートカナダ以来2度目。GPシリーズ4戦を終えた段階で表彰台に立った12選手のうち、10選手が日本勢だ。これには坂本も「びっくり。こんなうれしいことはない。『え、すごくない?』と思っている。『日本すごいな』と思った」と興奮気味に語った。 日本女子勢は2006年トリノ五輪金メダルの荒川静香、10年バンクーバー五輪銀メダルの浅田真央など、多くのトップスケーターを世界に輩出してきたが、今季は無類の強さを誇っている。坂本は「今は一人ひとりがジュニアの子もだけど、自分からいろんなことに取り組んでいる。氷上だけじゃなくて、陸上でのトレーニングや、生活をスケートに捧げている意識の高い選手が本当に多い」と印象を口にする。 坂本は22年北京五輪で銅メダルを獲得。日本女子勢で4人目の五輪メダリストになると、22~24年世界選手権では金メダルに輝いた。さらに23年GPファイナルも制するなど、世界一の選手に成長した。それでも、女子日本勢の存在は刺激になっており「自分も見習わないとなと思う部分もたくさんある。それが相乗効果になっているかな」と分析した。 そんな凄腕スケーターが一堂に会するのが来月の全日本選手権(大阪)だ。「ジュニアの子も入ってくるので、今回以上の緊張だと思う」と苦笑いを浮かべた坂本。世界が驚く激しい争いが各選手のレベルアップにつながっている。
中西崇太