スズキ、ジムニーのEV化・ハイブリッド化を否定 重量増で「良さが失われる」
新型EV発表会で発言
スズキの鈴木俊宏社長は、ジムニーを電動化すれば「台無しになる」として、EV化やハイブリッド化の計画はないことを示唆した。 【写真】シンプル装備の「商用車」ジムニーってどうなの?【英国のスズキ・ジムニー(LCV仕様)を写真で見る】 (13枚) ジムニーは1970年の発売以来、世界各地で根強い人気を誇っており、2018年には第4世代が登場してカルト的な人気を博した。 しかし、欧州では排ガス規制の影響で2020年に販売が中止された。現在は乗用車ではなく商用車(LCV)としてのみ購入できる。ユーザーからは乗用車の復活を望む声も上がっているが、現実には電動パワートレインでなければ復活は難しい。 以前公開されたスズキの次世代EVラインナップの予告画像で、ジムニーにそっくりのシルエットが確認されたとき、大いに期待が高まった。また、ハイブリッド車の登場も以前から噂されていた。 しかし、同社初のEVである新型eビターラの発表会(イタリア・ミラノで開催)で記者団に語った鈴木社長は、あらゆる憶測を打ち消すような発言をした。「ジムニーのEVの話をしたら、ジムニーの一番いいところが台無しになると思う。ジムニーの核となる強みは、適度な重さだと思う」 その代わりに、鈴木社長はジムニーの「プロフェッショナル」路線を継続することに注力したいという。「プロフェッショナルのための道具としてジムニーを市場に提供し続けたいのであれば、エンジンの技術を活用したeフューエルやバイオ燃料が、将来的にジムニーを支えるための方法になるかもしれない」
ウィル・リメル(執筆) 林汰久也(翻訳)