BtoBのサブスク製品は、なぜ2本以上売った方が解約率が低いのか?
どんなに優れた製品・サービスを提供していても、営業が数字を追求し、数字をつくらなければ、安定した経営は成り立たない。個々の営業担当のスキルはもちろん大事だが、全メンバーをチームとして束ね、会社としての目標を確実に達成していくには、営業リーダーのマネジメントが極めて重要な意味を持つ。本連載では『なぜ営業リーダーの仕事はこんなに難しいのか』(遠藤公護著/クロスメディア・パブリッシング発行)から、内容の一部を抜粋・再編集。営業におけるKPIマネジメントの要諦とチームをまとめるリーダーシップの在り方を提示する。 第1回は、KPIマネジメントにおいて「主要成功要因(KSF)」を模索し続けることがいかに重要かを解説する。 ■ KPIマネジメントの肝 最終的な目標である売上目標(KGI:重要目標達成指標)を達成するために、まずは最も寄与する要因(KSF:主要成功要因)を特定します。そのKSFの達成に向けた具体的な行動を数値化したものがKPI(重要業績評価指標)となります。 KPIマネジメントの重要性はご理解いただけると思いますが、営業現場で成功を収めるには、2つの重要なポイントを押さえる必要があります。 1つ目は、「不足部分を明確化すること」です。 現場の営業メンバーは、設定されたKPI達成に向けて邁進してくれるでしょう。しかし、営業リーダーは異なる視点を持つべきです。 行動量が不足している場合、なぜ週5件のデモ実施に至らないのか、割り当てた営業区域に問題はないか、アポイント獲得のための電話対応に改善点はないか、そもそもアプローチ材料が不明瞭で行動に移せていないのではないか、など、様々な角度から原因を分析し、具体的な対策を講じる必要があります。 2つ目は、「売上につながる主要成功要因(KSF)を常に模索すること」です。 KPIマネジメントでは、重要と判断した指標を管理しますが、現状の指標が本当に適切なのか、常に問い直す姿勢が大切です。固定観念にとらわれ、数字達成のみを追求すると、チーム全体を誤った方向に導いてしまう可能性もはらんでいます。ビジネスの状況に応じて、管理するKPIは変化しうるものです。