更迭の噂が過熱するセルジオ・ペレス……イギリスGPではギャンブル成功せず無得点「噂を気にせず、次の2週間に集中しなければいけない」
レッドブルのセルジオ・ペレスは、F1イギリスGPを17位無得点で終えた。チームメイトのマックス・フェルスタッペンにまた差を広げられる形となり、いよいよシーズン途中でのシート喪失の可能性も現実味を帯びてきた。しかしペレスは「契約に関して、自分がどこにいるかは分かっている」と語った。 【リザルト】F1第12戦イギリスGP決勝レース結果 ペレスはイギリスGPでは予選から歯車が噛み合わず、Q1でスピンしてQ2に進めず。決勝前にパワーユニットを交換したことで、ピットレーンからのスタートを余儀なくされた。その決勝は雨が降ったり止んだりする難しいコンディションとなったが、その中で大きくポジションを上げようと、早々にインターミディエイトタイヤを履くギャンブルに出たが、これは功を奏さず。優勝したルイス・ハミルトン(メルセデス)から2周遅れの17位に終わった。 「僕がいたポジションでは、ギャンブルをするしかなかった。僕たちは数ポイント……あるいは大量のポイントを獲得することを狙っていた。だからギャンブルをしたんだけど、全く運がなかった」 ペレスはレース後にそう語った。 「ピットストップした時は、タイヤ交換するかどうかギリギリの状況だった。雨はもう止んでいたからね」 「セクター1は乾いていたから、インターミディエイトタイヤはオーバーヒートしてしまった。7周にわたって、雨が止まったんだ。その後で雨が降り始めたんだけど、遅すぎたね」 スペイン、オーストリア、イギリスと続いた3連戦は、ペレスにとって忘れたいような日々だった。8位、7位ときて、最後は17位。チームメイトのフェルスタッペンが61ポイントを獲得する中、わずか11ポイントしか手にできなかったのだ。この3連戦の前には2戦連続で無得点となっており、ランキングではついに6番手まで後退してしまった。 「少し休んで、ハンガリーとベルギーというとても重要な2戦に備えるには、良い時期だと思う」 そうペレスは語った。 「振り返ってみると、ここ最近ではもっとも良い金曜日を過ごせたと思う。トンネルの出口が見えていたようだった。同時に、とても残念なレースだった。このレースから、どれだけ学ばなければいけないかは分かっている」 「金曜日にバランスが間違っていないことを確認し、必要な進歩を遂げることができるように努めれば、状況はずっと良くなるだろう」 ただ不調なレースが続いているために、ついに陣営からも退陣論が聞こえ始めてきた。クリスチャン・ホーナー代表は「ポイントを獲得できていない状況を継続することは不可能だと彼は分かっている」と語り、11日にはリアム・ローソンをテストする予定だとも伝えられている。 確かにペレスは2年契約を延長したが、そこには契約を解除できる条項も含まれているようで、一説にはフェルスタッペンとのポイント差が100を超えれば、この解除条項を行使できるとも言われる。現時点でのフェルスタッペンとペレスのポイント差は137……すでに危険水域である。 この自身にまつわる”噂”にどう対処するか? そう尋ねられたペレスは、次のように語った。 「契約に関しては、自分がどこにいるのかは分かっている」 「それを気にするわけにはいかない。次の2週間に、集中する必要があるんだ。それが最優先事項であり、チームと共に、この難しい時期から抜け出す必要がある」
田中健一, Filip Cleeren