”ミニDRS”論争はチームの誇り! マクラーレン「他のチームが我々のやっていることを気にしている証拠」
2024年シーズンのコンストラクターズチャンピオンに輝いたマクラーレンは、リヤウイングのデザインについて論争が巻き起こったことについて、誇りに思っていると語った。 【ギャラリー】角田裕毅ファンミーティング2024 in 相模原 F1 マクラーレンがアゼルバイジャンGPに持ち込んだ低ダウンフォース仕様のウイングは、高速域で上部のエレメントが後方にねじれるように変形することで、”ミニDRS”のように働くことから議論が勃発した。 競合チームからデザインの合法性に疑問の声が上がったため、FIAはマクラーレンのリヤウイングを調査したが、レギュレーションには違反していないと判断。しかし他チームに同様のデザインを強要し、パーツの空力弾性についてのグレーゾーンをめぐる軍拡競争が繰り広げられることを防ぐため、FIAはマクラーレンに変更を求めた。 その後、マクラーレンはすべてのリヤウイングに変更を加え、いくつかのライバルチームもアッパーフラップに調整を施した。 マクラーレンのエンジニアリング・テクニカルディレクターであるニール・ホルディは、ミニDRSをめぐる論争は、レッドブルやフェラーリ、メルセデスのようなチームに後れをとっている中堅チームではなく、マクラーレンがどれだけイノベーターになったかを示す褒め言葉だと考えていると語った。 「12ヵ月前を振り返ると、我々がやっていることに興味を持つ人は誰もいなかった」と、ホールディはmotorsport.comの独占インタビューで語った。 「だからチームとしては実際に誇りに思うべき部分がある。他のチームが自分たちの選手権での立場や我々の活動を気にしている、そんな状況であることを示しているんだ」 「我々は『よくやった、みんな』ということができる。ピットレーンの上も下も、我々がやっていること、我々がそれをやっている理由を見て、真似しようとしている人たちがいるんだ」 「この1年半の間にどれだけ多くのことが起こったか、そしてマシンのパフォーマンスを証明することができたんだ」 「ソリューションが合法的なものであることは承知していた。他のチームからは不満の声もあった。実際、FIAは我々と話し合った結果、そのようなことが広まることを望まず、他のチームにそのような解決策を見つけさせることも望まなかった」 「他のチームと同じようなレベル、実際にはもう少し低いレベルまで効果を落とすように言われたんだ。 他のチームでも、同じような変更を余儀なくされたチームがいくつかあったからだ] 「我々はそれを喜んで引き受けた。他のチームがそうであるように、我々もできる限りチャンスをつかみたい。しかし、我々は常にスポーツのベストのためにFIAと協力しようとしている」 マクラーレンは2023年、レッドブルに大きな差をつけられていたことから、空力効率不足を解決しようとしてきた。低ダウンフォースのリヤウイングはその解決策のひとつだった。 MCL38をレースウイナーに変えたマイアミGPの包括的なアップグレードパッケージでマクラーレンが成し遂げた大きな飛躍と並んで、様々なダウンフォースレベルで積極的にリヤウイングを開発したことが、マクラーレンがフェラーリとレッドブルを破って1998年以来となるコンストラクターズタイトルを獲得することに大きく貢献したと評価されている。 ホルディは「昨シーズンのリヤウイングが最適でなかったことは、効率の観点からもDRS効果の観点からも明らかだった」と付け加えた。 「だからそこは2023年から今年にかけて、クラスをリードする上で我々にとって重点分野だった」 「クラストップになるためには、パフォーマンスをさらに向上させる多くのウイングを開発することは避けられなかった。弱点と思われていた部分が、実はマシンの本当の強さであり、速さの理由の一部であることを確認するための努力は、それを証明していると思う」 「レッドブルの強力なDRSに非常に近いところまで来ている。このクルマのすべてに言えることだけど、まだやれることはたくさんあるし、クルマに追加できるパフォーマンスもまだたくさんあるんだ」
Filip Cleeren