悔しいフィジー戦完敗、悔しいPNC準優勝にも、ジョーンズHC「日本には新たなタレントが必要」
ラグビー日本代表が生みの苦しみに直面している。残念ながら、2試合連続で超速ラグビーが炸裂することはなかった。9月21日・東大阪市花園ラグビー場での『アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ 2024』決勝で日本代表は前半こそ10-10で持ち堪えたものの、後半フィジーが繰り出す怒涛のアタックに耐え切れずに17-41の完敗を喫し、悔しい準優勝に終わった。 【PHOTO】ワーナー・ディアンズ、立川理道、エディー・ジョーンズHC 攻め急いだのか、フィジーの圧力か、はたまたその両方か。ノックオンでチャンスを潰した理由を問われたエディー・ジョーンズHCは「スキル」とひと言。 3つのパスをつながなければ、ボールを前へ進めることはできないと苦言を呈した。 「最も効果的にキャリーするにはパスをしないか、“3パス”。パスをせずに前へ進むにはフィジーのようなフィジカルが必要。我々としては3パスで世界一にならなければならない。そうすれば、相手ディフェンスにプレッシャーを掛けることができる。今日のようにパスを落としてしまってはプレッシャーを掛け続けることはできない」 1か月後にはフィジーより遥かに格上のニュージーランド代表との対戦が待っている。次回は『ラグビーワールドカップ(RWC)2023』を戦った主力組の招集があるか問われると、ジョーンズHCは次のように反論した。 「前回の『RWC』ではシニアプレーヤーが多かった。自分の仕事は新しい選手を探すこと。これまで何度も説明しているが、必要ならば100回でも何回でも説明しよう。『日本には新たなタレントが必要』だと」 指揮官は若い選手が経験を積むためだからと言ってテストマッチの結果を度外視したりしない。オールブラックス相手にも勝利を追い求める。 「最も重要なことはNZに勝つ準備をすること。私たちは勝つためのゲームプランを立てるつもり。NZはフィジカル面で私たちより遥かに優れている。私たちはスピードとクレバーさを駆使して勝つ方法を考えなければならない」 SO立川理道主将が後半12分にフィールドを去ってからフィジーに4連続トライを畳み掛けられてしまったが、ジョーンズHCは交代策をこのように説明した。 「本人は言い訳をしないが、ハルはこの1週間足に問題があった。少しペースを上げる必要があり、(李)承信を10番のポジションに代えた」 無念の交代となった立川主将は「前半もっと勇気を持って自分たちのラグビーをできたかなと思うので、10番として、主将として引っ張れなかったことがすごく悔しい」と唇を噛んだ。 『アサヒスーパードライPNC』で4戦連続トライをマークしたCTBディラン・ライリーは自分たちの現在地を再確認した。 「今大会の3試合で自分たちの力を示したが、優勝するためには毎週いいパフォーマンスをしなければならない。今夜はまったく私たちの試合を見せられなかった。私たちは十分ではなかった。だが、それが現時点での自分たちの力だと思う」 フィジカリティに長けたフィジーに対抗したLOワーナー・ディアンズはこう振り返った。 「自分たちもフィジカリティで勝てるように試合に入って、20分くらいまでは良かったけど、その後は相手のゲームになった。今日の試合を含めていろんな学びがあった。それを修正して成長して、次の試合に向けてがんばりたい」 日本代表はしばしの休息を経て、10月26日(土)・日産スタジアムでの『リポビタンDチャレンジカップ2024』ニュージーランド代表戦へ挑む。その後、『リポビタンDツアー2024』で11月9日(土)・スタッド・ド・フランスにてフランス代表、16日(土)・シャンベリー・サヴォワ・スタジアムにてウルグアイ代表、24日(日)・トゥイッケナム・スタジアムにてイングランド代表と激突する。オールブラックス戦のチケットは発売中。