食べて考える柿ジェラート 酒田東高生、収穫されない実を活用
酒田市の酒田東高の2年生3人が、市内店舗と連携して「放置柿」を活用したジェラート商品を開発した。管理、収穫されずにクマやサルなどを人里に呼び込む一因になっている問題に着目した3人は、未利用資源を有効に使おうと企画した。同市中町1丁目のジェラート店「カフェeジェラート モアレ」で今月いっぱい、在庫がなくなるまで販売される予定という。 取り組んだのは石川楓さん(16)、高橋杏生(こお)さん(16)、阿部夏鈴さん(17)の3人。活動のフィールドは中山間地域で放置柿が課題になっている同市平田地域の東陽地区。鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会の長船裕紀研究員(39)がつなぎ役となり、住民とともに収穫した。 同地区ではこれまで、放置柿の柿渋を活用する取り組みをしてきた。3人はより身近な商品として、高校生にも人気のモアレにジェラートの開発を依頼した。 長期間販売できるよう、収穫した約200キロの柿の4分の1を干し柿にし、生柿を使用した商品と販売時期をずらした。昨年10月には、生柿の実をコンポートにしてミルクジェラートと合わせた「柿しぐれ」とシャーベットの2商品を販売した。客からも好評で先月に販売を終了したが、今月からは干し柿を使った商品を並べた。ジェラートは400円から。
モアレの菅野弘幸代表(58)は「高校生の活動をきっかけに、里山だけでなく街中にも好影響の広がりが期待できる」と話す。3人は「放置柿の問題は継続して取り組んでいくことが必要。食べてもらうことで問題について知ってほしい」と話している。