経済低迷でも日本で就職したい…コンビニで働く外国人留学生が抱える本音の背景 #令和の人権
「(『留学生30万人計画』を策定した翌年の)2009年、日本政府は大学や専門学校在籍者の在留資格の『留学』と、日本語学校などの『就学』を一本化しました。そのころから日本語学校への留学が急増し、日本語の水準が低い人も多く来日するようになりました。英語圏では英語が一定水準に達していないと留学できないし、韓国も雇用許可制度で移住労働をする際には韓国語能力試験を設けています」 「ネパール人留学生の多くは来日時の日本語レベルが低すぎる。日本語学校で2年間学んでもN3に受からない人もいるため、専門学校に進んでも日本語学習が主体となって学位取得までの学費が高くつく。せめて本国でN3レベルを取得してから来日すればこんなに学費はかかりません」 在留資格についてはこう述べる。 「ただお金を稼ぎたいという人たちには、単純労働の在留資格を付与すればいいわけです。日本語をほとんど使わないアルバイトもあり、言葉を学ぶ意欲が低い人もいます。そういう人が何年も高い学費を払い続けて『留学』の資格を維持しなければいけないということ自体が問題です」 田中教授は最後に、今国会で成立した改正入管法について触れた。改正法には在留カードとマイナンバーカードの一体化が盛り込まれており、「留学生の法定時間を超えたアルバイトがより把握されやすくなる」との指摘がある。田中教授はつぶやいた。 「(留学生の労働に依存している)業界の人たちは、改正法の影響についてどれだけイメージできているのでしょうか」 ----------- 本間誠也(ほんませいや) フリー記者、ジャーナリスト。新潟県出身。北海道新聞記者を経てフリーに。調査報道とルポルタージュを主に手掛ける。 「#令和の人権」はYahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。日常生活におけるさまざまな場面で、人権に関するこれまでの「当たり前」が変化しつつあります。新時代にフィットする考え方・意識とは。体験談や解説を通じ、ユーザーとともに考えます。