経済低迷でも日本で就職したい…コンビニで働く外国人留学生が抱える本音の背景 #令和の人権
中国人留学生の支援者「今後も日本への就職希望者は増えそう」
中国人留学生向けの大学予備校運営に加え、大学や大学院に在籍する中国人留学生の就職支援も手掛ける「行知学園」(東京)の担当者によると、「中国のIT業界には『996問題』(朝9時から夜9時まで週6日働かないといけない)に加え、『プログラマー35歳定年説』などがあり、安定した労働環境を求めて日本のIT業界での就職を希望する留学生も多い」と話す。 行知学園の楊舸社長は「中国の熾烈な学歴競争を勝ち抜いて経済的地位を築いた親世代の中で、受験競争が中国ほど激しくない日本の大学に子どもたちを進ませようとする人たちが増えています。円安の影響で教育投資としても安く済む。私たちの取り組みもあって日本は欧米諸国に次ぐ6番目の留学先として認識されています。その流れの中で今後、日本での就職を希望する留学生は増えていくと考えています」
増える外国人留学生 65%が日本での就職を望んでいる
独立行政法人・日本学生支援機構(JASSO)によると、2011年5月時点で約16万4千人だった外国人留学生は19年5月に約31万2千人を数え、政府が08年に策定した「留学生30万人計画」を達成。コロナ禍で22年5月は約23万千人まで減ったものの、ほぼ終息した23年5月では一気に5万人近く増加して約28万人に。政府が同年、新たに「留学生40万人計画」を示したことなどから、今年5月時点の留学生の数は過去最多となるとも予想されている。前出の中国人留学生の2人のように日本での就職を希望する外国人留学生は約65%に上り、出身国での就職希望者の約19%を大きく上回っている。
留学生のアルバイト先の大きな受け皿であるコンビニは、コロナの期間も通常営業だったため外国人アルバイトは減少しなかった。セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社の今年2月現在のデータは別表のようになっており、コロナ前の18年との比較では各社とも全国の外国人従業員数、外国人割合は増加。首都圏や各地の大都市では「外国人の割合がさらに増える」(セブン-イレブン)という。