【みかん】食べ過ぎで手足が黄色くなるのはなぜ?原因や対処法を管理栄養士が解説
鮮やかな橙色をしているみかん。みかん1個で、一日に必要なビタミンCの半分を摂れるとあって、冬場のビタミン補給に欠かせない果物です。一方で、「みかんを多く食べると手足が黄色くなる」といわれていますが、なぜなのでしょうか。その原因や対処法についてお伝えします。 〈写真〉みかんの食べ過ぎで手足が黄色くなるのはなぜ? ■みかんの色素はβ-クリプトキサンチンとカロテン みかんの橙色は、色素成分のβ-クリプトキサンチンと呼ばれるカロテノイドの一種です。β-クリプトキサンチンは、骨や歯の健康維持についての効果が報告されるなど、機能性に期待が集まっています。このβ-クリプトキサンチンは柑橘類の仲間であるオレンジやネーブルにはそれほど含まれておらず、温州みかんの1/10ほど。また、みかんには、カロテンという色素も含まれています。 ■みかんを食べすぎると手足が黄色くなる? β-カロテンは皮膚の角質層や表皮、皮下脂肪層に沈着しやすいといわれており、β-カロテンを含む食材を多く摂取することで、皮膚が黄色くなる症状(柑皮症)が引き起こされるとされています。みかんにもβ-カロテンが含まれていることと、みかんは特に一日に数個、連続で食べることが多いため、食べすぎてしまい、手足が黄色くなる原因になりやすいと考えられます。 また、みかんだけではなく、β-カロテンを含む食べ物やサプリメントの摂取によっても引き起こされるため、一つの食材だけではなく、野菜ジュースや黄色い野菜をたくさん食べるなどの組み合わせも原因となります。 ■手足が黄色くなった時の対処法は? それでは、みかんの食べ過ぎで手足が黄色くなってしまったらどうすればよいのでしょうか。柑皮症は、β-カロテンの過剰摂取が原因のため、β-カロテンの摂取を控えると自然と元の肌の色に戻ります。ただし、一度発症すると元に戻るまでに1か月以上かかってしまうこともあるようです。また、顔も黄色くなると黄疸と間違われることがありますが、柑皮症は白眼の部分が白いままなので、区別することができます。通常はβ-カロテンの摂りすぎを控えることで元に戻りますが、摂りすぎた覚えがない場合は高脂血症や肝臓が悪いことが原因と考えられることもあるため、受診が必要な可能性もあるといいます。みかんはビタミンCやβ-クリプトキサンチン、クエン酸などの栄養成分を手軽に摂るにはもってこいの果物でもあります。食べ過ぎに注意して、その効能においしくあやかりたいですね。 参照: ・「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 ・農林水産省特集1 みかん(4) ・「果物と健康(毎日くだもの200グラム推進全国協議会)」iyfv-53.pdf (maff.go.jp) ・「食材事典 (学研)」 ・「やさい(幻冬舎)」 ・「色の野菜の栄養事典」吉田企世監修 X-Knowledge」 ライター/大槻万須美 管理栄養士・フードスタイリスト・腸内ケアフードアドバイザー。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)