名勝負必至のバチバチ火花が面白い…11.1さいたまSAで拳四朗vs京口紘人の統一戦が決定…3本のLフライ級世界ベルトが集結
プロボクシングのWBC世界ライトフライ級王者、寺地拳四朗(30、BMB)と、WBA世界同級スーパー王者、京口紘人(28、ワタナベ)との2団体統一戦、WBO世界同級王者、ジョナサン・ゴンサレス(31、プエルトリコ)に同級2位の岩田翔吉(26、帝拳)が挑戦するダブル世界戦が11月1日にさいたまスーパーアリーナで行われることが14日、東京文京区の東京ドームホテルで発表された。またサポーティングカードとして、WBO世界フライ級王者の中谷潤人(24、M・T)がスーパーフライ級10回戦として元WBO、IBF世界ミニマム級統一王者で、同級3位のフランシスコ・ロドリゲス(29、メキシコ)と対戦、WBOアジアパシフィック・ライト級王者、吉野修一郎(30、三迫)が前東洋太平洋同級王者でWBC世界同級10位の中谷正義(33、帝拳)と防衛戦を行う。ボクシングファン注目のビッグマッチは、アマゾンプライムビデオで独占生配信される。
「ワクワクしないのかな?」「以前ほどのこだわりはない」
写真撮影で隣同士になった拳四朗と京口の表情は対照的だった。 トレードマークのピースサインこそしなかったものの、拳四朗は、終始ニコニコ。一方、京口は目を合わせることなく一度も笑わない。 「バチバチな感じがありますねえ。ワクワクしないのかな?」 拳四朗が苦笑いすると京口はクールに言う。 「以前ほど、こだわりはないっすね。ついに拳四朗の試合が決まったというより、WBCのベルトを持ったチャンピオンとの統一戦っていうことですね」 静かな火花が散る。 拳四朗は、この試合を「ボクシング人生において大事な試合」と位置づけているが、大手プロモーターのマッチルームと契約を果たし、ここ2試合、海外で防衛戦を行ってきた京口は、「日本の格闘技ファンで会場で試合を見たい人がたくさんいる。その意味では今回の試合はうれしいこと。でも海外で、これぞボクシングというものを肌で感じてきた」と、海外リングに目を向ける。 日本人同士の2団体王座統一戦は2012年6月のWBC世界ミニマム級王者、井岡一翔(現・志成)対WBA同級王者、八重樫東(大橋)戦以来、10年ぶりだ。 判定にもつれて井岡が勝利した、この世界戦も試合前から緊迫感が漂い、年間最高試合に選ばれる名勝負となったが、やはり日本人王者同士の対決には、互いの自負と哲学がぶつかり“対決感”が凄まじくなる。 2学年違いの2人は共に関西で活動したアマ時代からライバルだった。関西大の拳四朗と大商大の京口は、2012年、2013年の2年間に4度対戦。最初の対戦は近畿ブロック予選で僅差判定で京口が勝ったが、第2戦目は、拳四朗が足を使いフルマーク。第3戦、第4戦は、激しい打撃戦の接戦を拳四朗が制して3勝1敗である。当時、競艇試験に挑戦するなどしていた拳四朗が、「そこまで本気でボクシングをやっていなかったので、よく覚えていない」と振り返れば、京口は「ルールも違う。参考にならない」と受け流した。