時計やスマホはあるけど「城山の鐘」が時を告げないと「違和感」…若山牧水の歌にも登場、今も身近な存在
先月27日に恒例の「すす払い」が行われ、市都市計画課の職員らが日高夫妻と鐘を清掃した。
同課係長の太田隆裕さん(52)は職場のサッカー部に所属していた約30年前、仕事を終えて練習していた城山近くの河川敷で鐘の音を聞いた。当時は夜も鐘が鳴っており、「練習後、先輩たちと高校時代の思い出を語り合い、午後8時の鐘が鳴るとそろそろ帰ろうかとなった」と懐かしみ、「今でも鐘の音を聞くと安心感や懐かしさを抱く」と話した。
8代目鐘守の日高さんは高校時代を城山近くで過ごし、稲田家がついていた毎朝の鐘の音は目覚まし時計代わりだった。当時感じていた「鐘は身近なもの」という感覚は、多くの人が時計やスマートフォンを持ち、鐘に頼らなくても簡単に時を知ることができるようになった今も市民が共有していると実感するという。「あって当然、ないと違和感がある。城山の鐘はそんな存在」
これからもどこかで誰かが待っている鐘の音を毎日丁寧に響かせていこうと思っている。