阪神・佐藤輝は全然下手くそじゃない 田中秀太内野守備走塁コーチ「もっともっと普通でいい」
藤川球児監督(44)率いる阪神はコーチングスタッフも一新された。デイリースポーツのインタビュー企画「新コーチに聞く」に田中秀太内野守備走塁コーチ(47)。21年から2軍コーチを務め、今秋配置転換された。 ◇ ◇ -2軍から配置転換。1軍のコーチとして臨んだ秋季キャンプは。 「若い選手が多く、(佐藤)輝も(シーズン中に)ファームに来たりもあったし、コミュニケーションを取ってる選手が多かったので、スムーズに進んだ。中堅も含めてしっかりやってくれたんで、いい流れでできたんじゃないかなと」 -1軍の内野守備で課題は。 「送球に関しては、捕ったらアウトにできる野手を目指そうっていうのはみんなに言っている。キャンプを通じて、ミスもありましたけど、慌てないとか、ステップをしっかりするとか少しは植えつけられたかなと」 -佐藤輝の守備は。 「良くなってるとか良くなってないとかじゃなくて、そんなにめちゃくちゃな数やってない。落ちて来た時に、これをこうしたら良くなるよねという話をして1軍に上がっていったんで。(キャンプでは)それの継続も含めてと、本人もスローイングは気にしてるところがあったんで。ステップをこうしていこうとか、体の入れ方とかは話しました」 -共有できた状態でキャンプにも入れた。 「そうですね。結構あいつも悔しかったと思うんで。練習してて、そういうふうに感じてやってるんだなというところを僕らも感じていた。だから、数だけやればいいじゃなくて、しっかりやるところまでやらせようと」 -シーズン中はスローイングのミスが多かった。 「多かったですよね。でもちょっと器用なんで。普通の人じゃできないような、ジャンピングスローをしてみたりとか。逆にそんな高度なプレーはいらないよ、もっともっと普通でいいよっていう感じですね」 -基本の徹底。 「みんなエラー数が多いから下手だと思ってるけど、全然そんなふうに思ってないし。僕も本人には『全然下手くそじゃないと思うよ』っていう話はしてるんで」 -藤川監督も佐藤輝に期待している。守備もより良くしていきたい。 「それは僕もそうだし、本人もそう思ってるし。そうならないとチームも困るし。キャンプが終わる時には輝だけじゃなくて内野手みんなで話をして。それぞれ課題があるので、次の春につなげてほしい」 -今春、佐藤輝は特守の数をこなしていた。来春キャンプは短い時間でもしっかりとした形を求めていくのか。 「何とかいい姿勢で取り組んできているので、それを崩さないようにはしています。たぶん春もあいつはそれぐらいの姿勢で来ると思うので。やる日は『やるよ』と本人にも言っているし。でも全体の守備練習は投げたりが多いので『守備が足りていない』とかは思っていない。『強化をやれ』と言ったら、ちゃんとやるし。もっとやらないイメージでしたけど、ちゃんとやるようになったし、そういうところは変わってきたなと。チームを引っ張っていくような選手になるでしょうから、頑張ってくれていると思います。このキャンプに関してはそういう気持ちも感じています」 ◆田中 秀太(たなか・しゅうた)1977年2月23日生まれ、47歳。神奈川県出身。現役時代は右投げ左打ちの内野手。熊本工から94年度ドラフト3位で阪神入団。プロ初出場は95年9月21日・横浜戦(横浜)で代打。守備ではユーティリティープレーヤーとして活躍。03年からの登録名は「秀太」。09年現役引退後は球団スカウトを経て21年に2軍内野守備走塁コーチ、25年度から1軍内野守備走塁コーチ就任。