70年代生まれ団塊ジュニア世代が今なお割を食う事情、一発逆転を狙う「地獄のスパイラル」の行く末
世の中は複雑です。一見、単純な問題でも、いざ解決しようと思うと「あちらを立てればこちらが立たぬ」というケースはザラです。そんな面倒臭くてややこしい世界を、面倒くさくてややこしいままとらえ、理解しようと努めること。安易な正解に逃げ込まず、「正解が出ていない」というグレーな状態に耐えながら思考し続けること。ものの見方の「射程」を伸び縮みさせながら世の中のさまざまな事象を眺めてみること。 このように「複雑な世界観」を磨くことが、ますます複雑化、多様化する社会で、「隙あらば人をカモにしたい勢力」にからめとられずに生き抜く一番の防衛策ではないでしょうか。
(構成:福島結実子)
佐々木 俊尚 :作家・ジャーナリスト