親の年金額が「月20万円」と発覚! 現役世代の私の「給与」と同じなのですが、さすがに「手取り」は私のほうが多いですよね…?
老齢年金は、現役時代の納付額や納付期間によって、人それぞれ受給額が異なります。そのなかで、月額20万円という年金は、多額な部類に入ります。現役の頃に高収入で多くの厚生年金保険料を納めたケースや、手厚い企業年金を受給しているケースが考えられるでしょう。 一方、現役世代では月収が20万円程度という人は多いと思います。そのため給料で20万円を稼いでいる人からすると、同じ金額でも年金の月額20万円とは感じ方が異なるかもしれません。 本記事では、年金として20万円を受給するケースと給料として20万円を受け取るケースの手取り額について解説します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
給与所得と年金(雑所得)は計算方法が異なる
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和4年度の厚生年金の平均年金月額は14万3973円でした(併給する老齢基礎年金の額を含める)。これと比較すると、月額20万円の年金は、平均額を約6万円程度上回っているため、恵まれた額と言えるでしょう。 所得税法上、所得は10種類に分かれており、給料は給与所得、年金は雑所得に分類され、それぞれ計算方法が異なるため手取り額には差が出ます。 給与で月給20万円・ボーナスなし(年収240万円)の場合、年間の手取り額は以下のようになります(扶養親族なし)。 ・年間の厚生年金保険料:21万9600円 ・年間の健康保険料(介護保険料はなし):11万9760円 ・年間の雇用保険料:1万4400円 ・年間の所得税(特別復興所得税を含む):3万9100円 ・年間の住民税:8万6600円(自治体によって変動あり) ・年間の手取り収入:約192万円 一方で、65歳以上で年金月額20万円(年間240万円)の場合、手取り額は以下のようになります(扶養親族なしで、社会保険料は年間25万円とする)。 ・年間の社会保険料(国民健康保険料・介護保険料):25万円 ・年間の所得税(特別復興所得税を含む):2万9000円 ・年間の住民税:6万7000円(自治体によって変動あり) ・年間の手取り収入:約205万円 給与所得には給与所得控除、公的年金には公的年金等控除が適用されるほか、加入する社会保険制度も手取り額に影響します。そのため、同じ金額でも給料と年金で手取り額に差が出るため、一概に「現役世代のほうが手取り額が多い」とは言えません。 ただし、手取り額は扶養家族や支払っている社会保険料など、さまざまな要因に左右されます。