【毎日書評】上司との軋轢をどう乗り越えるか?研修医がたどりついたひとつの答え
みんな演じて生きている
とはいえ著者だけの話ではなく、誰しもが演じながら生きているともいえそうです。 学校の先生は“学校の先生みたいな人”を演じ、お医者さんはお医者さんっぽく演じているもの。お店の店員さんだって、本当はイライラしていてもニコニコと演じて接してくれています。そうやって、この世界の人はきしみがちな人間関係に潤滑油を差しているわけです。 ちょっとでも演じれば、それは相手に伝わる。でも大丈夫。演じていることがバレていても、「気をつかっているのだな」ということは伝わる。 そうすれば、少しずつ関係は改善する。自分の心だって死なない。 因果応報という言葉がある。もともとは仏教の言葉で、「過去に行ったことに応じたそれなりの結果が生じるよ」という意味だ。良いことをすれば良いことが返ってくるし、悪い行いをしたら悪いことが起こる。(235ページより) 著者はこれまで生きてきて、本当に因果応報だなと思っているのだそうです。いうまでもなく、悶え苦しみながら続けてきた努力が実った経験があるから。だからこそ、「歯を食いしばった経験は、いつか必ず自分が求めてやまない結果をもたらすだろう」と断言できるわけです。(234ページより) 「子どもに読ませたい本をつくろう」という思いから生まれたという本書の読者対象は、まだ世界のことを学んでいる途中の小学生や、親兄弟・友人との関係に悩む中学生、そこに将来の進路という悩みが加わった高校生、半分社会に出たものの荒波に溺れそうな大学生だそう。 しかしもちろん、そんな子どもを持つ親御さんにも響くはず。人生の鍵を見つけるために、参考にしてみてはいかがでしょうか。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: あさま社
印南敦史