笑顔の石破首相が秘める「政権維持戦略」の成否…会期末「不信任案」なら解散・衆参同日選も
対面では初となる「石破・トランプ会談」については、当初、政府部内でも「2月中旬か5月連休中に先送りすべきだ」(官邸筋)との慎重論もあったが、トランプ氏からの直接打診も踏まえ、「今後の日米関係を考えたら、とにかく行くしかない」(自民幹部)との声が強まっており、石破首相も「まず首脳外交での政権浮揚に意欲満々」(官邸筋)とされる。ただ、首脳外交でスタートダッシュに成功したとしても、次に控える次期通常国会での与野党攻防乗り切りは「容易ではない」(自民幹部)。
すでに政府与党内では、1月24日(金)の通常国会召集が内定している。その場合、150日間の当初会期での会期末は6月22日(日)で、会期延長がなければ、公選法などの規定で参院選投開票日は7月20日(日)となる。その一方で、「与党の苦戦必至」(選挙アナリスト)とされる東京都議選は、公明党の強い要請も踏まえ参院選と重ならない6月29日(日)投開票となる見通しだ。 ■通常国会では「壁」引き上げ問題決着が必須
通常国会の日程が慣例通りの進行となれば、1月30日スタートが見込まれる衆院予算委での質疑が石破首相の「第一関門」となる。野党第1党の立憲民主は「自民巨額裏金事件解明のためには旧安倍派会計責任者の参考人招致・証人喚問が不可欠」(国対幹部)と他野党とも連携して実現を迫る方針だ。ただ、すでに有罪判決を受けた同会計責任者は「出席拒否」の構えだとされる。 このため、立憲民主などは「一連の裏金議員の政倫審弁明から、一番事情を知っているのは森喜朗元首相だ」(国対幹部)として、森氏の国会招致を求める方針だ。ただ、野党内には「野党にも幅広い人脈を持っていた森氏を呼べば、こちらも火の粉をかぶりかねない」(閣僚経験者)との不安も多いとされ、「参院選をにらめば、要求しても自公の拒否で実現しないという状況を続けるほうが得策」(国民民主国対)という“棚上げ論”も少なくない。