移住者争奪戦国合戦? 長野県が大阪市内で移住相談週1開設
移住者争奪戦国合戦? 長野県が大阪市内で移住相談週1開設 THEPAGE大阪
豊かな自然を求めていなか暮らしへの関心が高まるとともに、自治体による移住者争奪合戦も激しさを増す。移住先人気ランキングで常時上位を占める長野県が先手を打ち、今月から大阪市内で毎週1回、移住相談窓口の定期開設に乗り出した。長野がNHK大河ドラマ「真田丸」の舞台として脚光を浴びる中、移住希望者との対話を求めて出城を離れ、勝負に出た格好だ。 田舎暮らし 移住先人気ナンバー1は何県?
長野の魅力を伝えて移住を勧めるゆるやかアプローチ
大阪市中央区本町橋の大阪ふるさと暮らし情報センター。地域の暮らしや住まい、仕事など、移住に欠かせない情報が全国各地から集められ、移住希望者をサポートする大阪の拠点になっている。ホテルやレストランでにぎわうシティプラザ大阪1階にあるため、ぶらりと立ち寄る人たちも多い。 長野県では昨年まで、大阪市北区の大阪駅前第1ビルにある県大阪事務所で、移住相談に対応してきた。さらに今月から毎週水曜日、県大阪事務所勤務の移住推進員、松田智子さんが同センターへ出張し、移住相談に応じている。松田さんは新しい展開に関して次のように話す。 「大阪駅前の県事務所では、ある程度長野県への移住の意志を固めた皆さまからのご相談に応じています。その点、こちらの情報センターにはホテルやレストランの訪問客も立ち寄られますから、なるべく多くの皆さんに長野県の魅力を知っていただき、よろしければ長野へ移住されませんかというゆるやかなアプローチを始めています」 移住希望者を県事務所で待ち構えるだけに留まらない。果敢にまちなかへ飛び出して、長野県のファンを増やしながら移住も推進する両面作戦だ。
北アルプスが大好きな関西人
長野県は移住先人気ランキングで常時上位を占めてきた。とりわけ関西圏では、北アルプスを展望できる松本市や安曇野市など中信地方の人気が高い。青春時代に憧れたあの山々を見上げながら暮らしてみたい――という移住願望につながるようだ。 松田さんは長野県の情報を集めた相談コーナーで、相談者としっかり向き合う。相談時間が1時間に達することも珍しくない。 「人生の夢をお聞きすることになりますから、1時間はあっという間に経ちますね。2度、3度と相談を重ねるケースも少なくありません。各相談者のご要望に応じたライフプランをご提案していますが、夢を実現させるため、必要な情報を集めながらしっかり移住の準備を進めていただくよう助言しています」(松田移住推進員) 松田さんと面談していた40代男性は、東京生まれで大阪在住。新会社設立と長野移住という重要プロジェクトが同時進行中だという。「まもなく新しい事業を立ち上げる予定です。若い人たちを育てたい。一方で、昔からいなか暮らしに憧れていました」と話す。 そのうえで、「いきなり長野への移住は無理かもしれませんが、新事業が軌道に乗ったら若い人たちにどんどん仕事を任せ、長野と大阪をふたつの拠点にして、新しい人生を踏み出せたらうれしいですね」と、段階的な移住構想を披露してくれた。