東急「たまプラ」と小田急「新百合」、どこが同じで何が違うのか 田園都市線と小田原線、実は近い2つの駅
さらに「2012年には東急と横浜市で『次世代郊外まちづくり』の包括協定を締結し、そのモデル地区として『たまプラーザ駅北側地区』を策定し、産学公民連携による多様な取り組みを行ってきました」という。 ホームは開業時から変わらない2面2線で、橋上駅舎が丘の斜面に位置していることもあり、北口は改札階がそのまま出入り口になっている。 1980年代には、テレビドラマ「金曜日の妻たちへ」の舞台で注目を浴びたが、その頃から10年ほどこの周辺に住んでいた筆者が記憶しているのは、北口の駅前広場は狭く、南口は広大な駐車場があるだけという光景だ。
しかしそれは開発途上の姿だったことを、21世紀になって知ることになる。2010年に開業した「たまプラーザテラス」は、駅舎を囲むように建てられたゲートプラザ、西に隣接したリンクプラザ、南側のサウスプラザ、東急SC改め東急百貨店3階部分のノースプラザからなり、景観は一変した。 北口のバス・タクシー乗り場はゲートプラザ地下2階に収まり、南口にも羽田空港行き高速バスなどが発着するロータリーが設けられた。
駅周辺は多摩田園都市のエリアとなる。中でも象徴的なのは北側の美しが丘1~5丁目で、商店が集まるゾーンを抜けると公園があり、奥には広い道沿いに邸宅が並ぶ。「たまプラ」の愛称とともに注目されてきた理由を教えられる。 ■たまプラの将来はどうなる? たまプラーザの最近の動きについて、東急広報グループではこのような説明をしていた。 「2018年に、次世代郊外まちづくりの将来像を具現化した『ドレッセWISEたまプラーザ』を開業しました。居住者以外も利用可能なコワーキングスペースや保育所、学童保育施設などを備えていることが特徴です」
駅開業からまもなく60年ということで、高齢化の問題もある。このテーマについては、今後は子育てのファミリー層を増やしていき、たまプラーザテラスでは多世代が利用しやすい施設にしていくとのことだった。 一方、新百合ヶ丘駅を通る小田急電鉄小田原線自体の開業は1927年と、田園都市線よりずっと古い。ただし駅が生まれたのは1974年で、同時にここから多摩ニュータウンに延びる多摩線が開業している。つまり2024年で駅、多摩線ともども誕生50周年ということになる。