エクササイズが続く人、続かない人、その違いとは?【40歳から始める! 健康寿命を延ばす「手力・足力」!②】
大人世代になると、意識しないとどんどん運動習慣がなくなり、始めても長続きしないという人も多いはず。続く人と続かない人にはどんな違いがあるのだろうか? 理学療法士で東京都健康長寿医療センター研究所・研究部長の大渕修一さんに伺った。
気張りすぎないのが長続きの秘訣
気づくと何時間も座りっぱなしで、一日で歩いたのは近所のスーパーやコンビニに行っただけだった、などという人も少なくないのでは? そんな慢性的な運動不足を解消しようと、意を決してエクササイズを始めてみるも、長続きしないという声もよく聞く。 「筋トレなどのエクササイズは始めて2カ月後には約80%の人が中断しているというくらい、長く続かないのは普通のことです。ですから、続かないのは『意志が弱いから』や『飽きっぽい性格のせい』などと自分を責める必要はありません。続かなくても気にしない、飽きたら一度やめてまた始めればいいのです」(大渕先生) 運動は週2回以上実施しないと効果が出にくいのだが、なかなかできない日もあるだろう。できなかったことが心理的に負の報酬となって、さらに運動を続ける意欲がなくなり、フェイドアウトしてしまうことも。 「やりたいときにやればいいと初めから決めて、気軽に始めたほうが長続きすることがあります。運動とはこれからも長い付き合いになるわけですから、完璧主義ではなく、穏やかに付き合うのがいちばんです」 《長続きするケース》 気軽に始めた ↓ できない日は諦める ↓ 効果が小さくても充実感を得られやすい ↓ 楽しくなり、運動しないと落ち着かなくなる ↓ 成功! 《長続きしないケース》 意を決して始めた ↓ 続けることがプレッシャーに ↓ 効果が小さいと充実感を得られない ↓ つらいばかりで、楽しくない ↓ 挫折! 「気軽に始めて、体調が悪かったり痛みを感じるときは積極的に休む。効果が出れば儲けものぐらいの意識で、運動量への意識をできるだけ少なくすること。加えて、小さな効果であっても自分を褒めちぎることが大事です。 例えば『駅の階段を上るときに少し足取りが軽く感じられた』『家事をするとき少し疲れにくくなったような気がする』など、体の小さな変化に敏感になって、運動したことと結びつけて自分を褒めることでモチベーションを上げることが長続きするポイントです」