J2で天皇杯制覇、甲府のベテラン3人が語る下克上 先制点の三平、PK止めた河田、最後のキッカー山本
山本「あのPKは相当いいコースにいっていた。感謝しかない」 ―PK戦に臨む前のチームは笑顔でした。 三平「PK戦はどっちに転ぶか分からないし、負けてダメージが大きいのは広島。それなら気持ち良く楽しくやろうと思って、監督がPKキッカーの順番を言うたびに『ウエーイ』と」 ―山本選手は5番手でしたね。 山本「何度かPK戦をやったけど、1番手でしか蹴ったことがなかった。1番手に指名されず(PKを与えた)ショックから気を使ってくれたと思った。そうしたら5番手で一番プレッシャーをかけられた」 ―河田選手はPK戦で4人目の川村選手を止めました。 河田「手に当てたけど、入ったと思った。球がギリギリ、クロスバーを越えて運があると感じた。データがなかったので試合中のプレースタイルを見て、直感で跳んだ」 ―山本選手が最後のキッカーを務めましたね。 山本「蹴るコースは直前まで考えた。GKが『こう動く』と何となく分かったけど、それに頼って中途半端なキックになるのが嫌だった。相手にリズムを取らせないようにして最後は好きなところに蹴ろうと思った」
―いつ優勝を実感しましたか。 山本「メンバー外の選手が泣いたり喜んだりしているのを見た時に本当に良かったと思った」 三平「メダルをもらった時も本当に優勝したのかなと思った。1カ月くらいは実感が湧かなかった。(ユニホームにタイトル獲得を意味する)星がついたのを見てから」 河田「公園で子どもと遊んでいるお母さんやサッカーを見ていないだろう人から声をかけられることが増え、優勝がすごいことだと改めて思った」 ▽必死の守備が「ジャイキリ」に ―ジャイアントキリング(大番狂わせ)のコツは。 山本「甲府は若手も含めて仲がいい。どうしてリーグで勝てないんだという声もあると思うけど、何かを起こすのは一つになる力を出せるチーム。ミスがあってもミスを気にさせない、気遣いができる選手がいた。普段の練習から、みんなが向上心を持っていた」 河田「去年の天皇杯は体を張って必死に守ったことがジャイアントキリングのきっかけになった。先に点を取られると、逆転は厳しい。ひたむきに守り、隙を突いた」