J2で天皇杯制覇、甲府のベテラン3人が語る下克上 先制点の三平、PK止めた河田、最後のキッカー山本
―今年の天皇杯初戦では、6月7日の2回戦でJ2長崎に1―0で勝ちました。 三平「優勝チームが初戦で負けたら、やばいという声が周りから聞こえ、変な重圧があった」 山本「タイトルを取れたことでサポーターも、またその景色を見たい思いが強い。小さいクラブでも優勝に手が届くと証明したので、いろいろな意味で周りの目は厳しくなっている」 ―3回戦の鹿島戦と、天皇杯優勝で出場権を獲得したアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)への意気込みを。 三平「鹿島のリベンジ(マッチ)になるけど、今回も勝てれば。ACLは去年の天皇杯と同じような感じで、不完全燃焼の戦いをしないように全てをぶつければ、いい結果がついてくる」 山本「去年の鹿島と違って完成度が高い。難しいと思うけど、しっかり戦いたい。ACLは大会に参加できることを楽しみながら、楽しみだけで終わらないような雰囲気にしたい」 河田「鹿島は『もう負けられない』プレッシャーもある。そういう隙を突いて次のステージに進むことが大事。(本拠地が大会基準を満たさないため)ACLを山梨で開催できないのは残念だが、ホームとして(東京の)国立競技場でやれる。初戦に全力を注ぎながら新たなファンを獲得できればラッキー。国立でやるメリットを出せるように頑張りたい」
―天皇杯の魅力は何ですか。 河田「勝敗がつき、リーグ戦と違った戦い方になる。格上相手にどれぐらい通用するかを試せる、楽しみな大会。相手が強ければ守って一発を狙う格下の戦い方をしなければいけない。いろいろな見方ができるところが一番面白い」 三平「J1のチームと戦ういい機会だけど、上は目指せない大会と思っていた。だけど奇跡的に優勝できたので、味をしめたように『また優勝しようぜ』と言っている。ユニホームに星も1個つけられて最高の大会」 山本「僕たちの年齢になると、天皇杯はすごい大会というのが最初にある。J2のチームが優勝するのは相当難しい。最近は若手の力を試す場になっているところもあったけど。競争が厳しいサッカーの世界で小さなクラブが大きなタイトルを取れたことにすごく価値がある」