トランスジェンダーモデルの矢神サラ、性別適合手術の苦しみ語る「2度の手術でも、終わりはない」
◆壮絶な痛みと苦しみを乗り越えた膣の再手術…性転換手術をしたら終わりではなく、ずっと続く戦いもある
――矢神さんは手術を受けたことで人生が開けたんですね。 【矢神サラ】 やっぱり男性に興味を持ってもらえるので。当時の職業柄、そこがすべてのスタートでしたから。私としては十分回収した気持ちです(笑)。 ――2023年には「私みたいに膣の深さ掘り直しで7年越しにまたタイまで来て手術する人少ないと思う」と再手術の様子を投稿されていました。 【矢神サラ】 ピアスの穴と同じで、穴をこじ開けているので、自然に閉じてしまう。私の恋愛観としては、「性行為が普通にあった方が良い」と思っています。それが上手くいかないことに負い目を感じていたので、じゃあ作り直そうって。解決策をすぐ求めるタイプなんです(笑)。 ――壮絶な痛みを乗り越えられているように見えました。 【矢神サラ】 再手術を受ける人は少ないです。手術後の痛みも辛いのですが、尿カテーテルをつけている1週間くらいは、まったく身動きが取れない寝たきりになり、床ずれしてしまいます。それが辛い上に、固形物は食べられないし、ベッドでそのまま排泄しないといけない。トランスジェンダーの知り合いには、「こんな痛いことをもう1回やるなんて信じられない」と言われました(笑)。痛いし苦しくて、入院中大変でしたが、私はやって良かったと思っています。 ――2回目の手術の後もまた塞がっていくのでしょうか。 【矢神サラ】 そうなんです。「ダイレーション(造った膣が狭窄したり閉塞したりしないように奥行きや直径をキープするために必要な作業)」というスティックを6~7本もらうのですが、術後はそれを毎日朝晩の2回、1時間ずつ使用しないと収縮してしまうと言われています。でも、なかなか日常生活の中でその時間が取れない。面倒ですし、回数が減っていくんですよね。それで膣の深さが浅くなっていく。だから、手術したら終わりではなく、その後もこういうことが続くんです。大手術したのに女性になれていないって、悲観的になったり、ネガティブになったりするのはよくないので、仕方ないと思うしかないですよね。それを受け入れて生きるしかないから。