坂本花織、圧巻V!今季世界最高231・88点 GPシリーズ5連勝、ファイナル連覇だ/フィギュア
GPシリーズ第4戦フィギュアスケート・NHK杯最終日(9日、東京・国立代々木競技場)フリーが行われ、女子の坂本花織(24)=シスメックス=が今季世界最高の合計231・88点をマーク。第2戦のスケートカナダに続く優勝でグランプリ(GP)ファイナル(12月、フランス)進出を決めた。2位は千葉百音(19)=木下アカデミー、3位は青木祐奈(22)=MFアカデミー=で、第2戦に続いて日本勢が表彰台を独占した。男子は鍵山優真(21)=オリエンタルバイオ・中京大=が合計300・09点で制し、大会2連覇。ペアは三浦璃来(22)、木原龍一(32)=ともに木下グループ=組が2位で2年ぶりにファイナルに進んだ。 最後のポーズで後ろによろけたのもご愛嬌(あいきょう)。最終12番滑走で登場した坂本がほぼノーミスの演技を披露し、SP、フリーともに今季世界最高得点をたたき出して頂点に立った。 「今できるマックスの演技だったので、今日の出来には満足。前半からぶっ飛ばそうと、気負わず攻めの姿勢でいけたのがよかった」 冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)を流れるように決め、一気に波に乗った。GP第2戦で転倒した3連続ジャンプや3回転フリップも次々と着氷し、スピンもすべて最高評価のレベル4を獲得。前戦からフリーだけで約26点も得点を上げ、NHK杯は3度目の優勝、GPシリーズはファイナルを含め昨季から5連勝とした。 スケートカナダの雪辱を晴らすため、この2週間は自身に猛烈な練習を課した。曲かけ練習をひたすら行い、演じ切るための体力をつけ、力の抜きどころを探った。「かなりハードなプログラム」に加え「年齢も…」と24歳の体は以前に比べ回復に時間がかかるが、この日の演技で世界女王の貫禄を見せつけた。 2位に千葉、3位に青木が入り、日本女子の表彰台独占はスケートカナダ(坂本花織、松生理乃、吉田陽菜)に続いて今季2度目。NHK杯では2008年(浅田真央、鈴木明子、中野友加里)以来16年ぶり(コロナ渦の20年を除く)だ。GP4戦を終えて表彰台12のうち10を日本勢が占めており「こんなにうれしいことはない」と坂本も笑顔を浮かべた。 昨季初制覇したGPファイナルに進出。「連覇はあまり考えず、自分ができる一番いい演技ができるようにしたい」。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪で目指す金メダルへ、坂本が一歩ずつ歩を進める。(角かずみ)
◆女子フリーで125・29点、合計195・07点で3位に入った青木祐奈 「ジュニアの頃も合わせてGPシリーズで表彰台に乗るのは初めて。うれしくて感極まりました」