「売春は怖いっちゃ怖いけど...」違法と知りつつ"立ちんぼ"やめないのはなぜ?客待ちする29歳女性に聞くと「交渉成立すれば別にいい。もっと悪いやつを捕まえればいいのに」 大阪・キタ
大阪・北区のホテル街「兎我野町」では、売春の客待ちをする“立ちんぼ”が後を絶たない。なぜ、違法と知りながら立ち続けるのか…“立ちんぼ”をする女性に話を聞いた。また、人間の心理に働きかける路上売春対策とその効果を取材した。 【写真を見る】記者の取材に“本音”を語る客待ち女性
日本有数の繁華街、梅田。JR大阪駅から東へ約700mにあるのが兎我野町エリアだ。この周辺には複数のラブホテルや飲食店が立ち並んでいる。 午後10時。通りには10人ほどの女性が立っていた。皆スマートフォンを片手に誰かを待っているようだ。しばらくすると… (記者リポート)「男性が路上に立っている女性に声をかけました。2人は何かを話し込んでいる様子です」 路上に立つ若い女性にサラリーマン風の中年男性が話しかけている。そして、2人は夜の街へと消えて行った。
地元住民たちも苦慮「異様だなって思ってしまう」
このエリアは路上で売春の客待ちをするいわゆる「立ちんぼ」が多く集まる場所として以前から知られているが、コロナ禍後は10代や20代の若い女性が急増しているという。 地元住民らは定期的にパトロールを行ったり、対策会議を開いたりするなど長年にわたって街の環境改善に頭を悩ませている。 (地元住民)「変な雰囲気というか普通じゃない。異様だなって思ってしまうので、いい場所だな、訪れたいというものではないと思います」 (地元住民)「地域の方々も大きな問題として家族でも話し合っているし、子育て中の親御さんも『あの道は通ったらあかんよ』って」 警察も取り締まりを強化している。今年10月には一斉摘発を行い、20代から30代の女5人を売春防止法違反の疑いで逮捕した。警察によると、この一帯で1年間で30人が客待ちの疑いで逮捕されている。 しかし、摘発を受けても客待ちの女性は路上から一向にいなくならない。
“立ちんぼ”する女性「生活費を稼ぐため」
彼女たちはなぜ、違法行為に手を染めるのか。一人の女性が取材に応じた。 (記者)「いつから立っている?」 (女性)「だいたい4、5か月前くらいからですかね。やっぱり生活のため、生活の足しのため。自分の家賃とか食費とかそっちに回している」 女性は29歳。仕事が見つからず生活に困り売春をしていると話す。 (記者)「結構稼げるんですか?」 (女性)「1日多くて6~7万円くらい」 (記者)「毎日?」 (女性)「毎日。売春は怖いっちゃ怖いけど、今のところは大丈夫なんで。最初のときは怖かったけど」 売春は法律で禁じられている。「犯罪」という認識はないのだろうか。 (記者)「犯罪ということはわかっている?」 (女性)「わかってるけど、交渉成立すれば別にいいじゃないですか。(警察は)もっと悪いやつを捕まえればいいのに、こういう子たちを捕まえるのはよくわからない」 女性は「生活費を稼ぐため」と客待ちをしに戻っていった。一方で警察によると、売春で稼いだ金を「ホストクラブなどの遊興費に充てている」と話す女性も多いという。