特急はるかの発着、京都駅から隣の駅に 「京都駅一極集中」から観光客の分散狙う
JR西日本は22日、京都・滋賀と関西国際空港を結ぶ特急「はるか」について、京都駅発着のダイヤを山科駅発着に切り替えると発表した。京都市営地下鉄東西線などへの乗り換えができる山科駅を観光周遊の起点とすることで、観光客の分散化を図るという。来年度から山科駅のホーム増設工事に着手し、2029年度の切り替えを目指すという。 【写真】はるかが発着することになった駅はこちら はるかは最長で関西空港と野洲駅とを結ぶ。山科駅は現在も停車駅だが、停車するのは朝晩の5本のみで、1日上下計約60本の大半が京都駅発着となっている。発着を山科駅にすることで、関空から南禅寺(左京区)や醍醐寺(伏見区)など地下鉄東西線沿いの観光地へのアクセスを向上させ、「京都駅一極集中」の緩和を目指すという。工事費は100億円規模で、長さ約250メートルのホームを4番乗り場の北側に設ける。 松井孝治市長と市役所で記者会見した財剛啓京滋支社長は「山科駅と駅周辺の魅力、利便性を向上し、市民生活と調和した持続可能な観光の実現に一緒に取り組みたい」と話した。 京都駅のはるかの発着場所は現在、主に30番ホームを使用しているが、JR西によると、山科駅への発着切り替えに伴い、0番ホームに移す。空く形となる30番ホームは嵐山などへ向かう訪日外国人らで混雑している山陰線に充て、山陰線のホームの混雑緩和につなげるとしている。 はるかの山科―関西空港間の指定席料金は特急券込みで4590円。料金体系は変更しないという。