平地日本最長距離重賞はわずか2センチ差で決着…シュヴァリエローズが重賞連勝/ステイヤーズS
<ステイヤーズS>◇11月30日=中山◇G2◇芝3600メートル◇3歳上◇出走14頭 2番人気シュヴァリエローズ(牡6、清水久)が、平地最長距離の重賞を制した。勝ち時計3分46秒7。好位で脚をため、直線抜け出すと大外から12番人気の伏兵シルブロンの強襲を鼻差しのぎ、京都大賞典に続くG2連勝を飾った。冬の中山名物のマラソンレースを制した同馬は、来年さらなる頂を目指す。 ◇ ◇ ◇ 着差はわずか、約2センチ。それも3600メートルという超長距離を走った中で-。シュヴァリエローズは道中、逃げたアイアンバローズが作り出した最初の1000メートル通過64秒3という超スローペースの中、4番手という絶好位で脚をためていた。ペースを嫌って位置を押し上げる他馬はおらず、次の1000メートルも64秒7。2周目4角手前から少しずつスパートを開始すると、直線では外から猛追するシルブロンと全く並んでゴールイン。勢いは外優勢だったが、決勝線に合わせてグイッと伸びる根性を見せた。「ヒヤヒヤしました。この年でG2連勝するなんて、本当に大した馬です」と清水久師は愛馬を褒めたたえた。 鬱憤(うっぷん)も晴らせた。前走を制した後、香港遠征に向けて調整されていたが、招待が届かず、平地日本最長距離の重賞レースに挑んだ。「結果的に選ばれないでよかったかも知れないですね」と師は冗談交じりに、白い歯を見せた。 年末の大舞台は「これだけの距離を走った上、間隔も詰まるので」と慎重に見極め、来年さらなる高みを目指す。「元々スタミナはありますし、6歳ですがまだ馬は若いのでね」と、来春の天皇賞・春(G1、芝3200メートル、5月4日=京都)を意識する。バラの戦士は若々しく、さらに大輪の花を咲かせるべく、走り続ける。【深田雄智】 ◆シュヴァリエローズ▽父 ディープインパクト▽母 ヴィアンローズ(セーブルローズ)▽牡6▽馬主 (有)キャロットファーム▽調教師 清水久詞(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 31戦5勝▽総獲得賞金 2億8266万7000円▽主な勝ち鞍 24年京都大賞典(G2)▽馬名の由来 薔薇(ばら)の騎士(フランス語)。母名より連想