「野次馬」の撮った動画が”決定的証拠”に…ロシア反体制指導者・ナワリヌイが厳重警備の空港で買った”紅茶”に入っていたまさかのもの
真のロシア愛国者「アレクセイ・ナワリヌイ」がプーチン独裁政治の闇を暴く『PATRIOT プーチンを追い詰めた男 最後の手記』が、全世界で緊急同時出版された。1976年にモスクワ近郊で生まれたナワリヌイが目にしたのは、チェルノブイリ原発、アフガン侵攻、ソ連崩壊、上層部の汚職、そして「ウクライナ侵攻」だった。政治とカネ問題、超富裕層の富の独占、腐った老いぼれに国を支配される屈辱と憤怒。独裁政治の闇をメディアに発信し、大統領選にも出馬した彼は、やがて「プーチンが最も恐れる男」と評されるようになる。そして今年2月、彼を恐れた当局により獄中死を遂げた。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 そんなナワリヌイが死の間際に獄中で綴った世界的な話題作『PATRIOT プーチンを追い詰めた男 最後の手記』より「本物のロシア愛国者の声」を一部抜粋、再編集してお届けする。 『PATRIOT プーチンを追い詰めた男 最後の手記』連載第7回 『「もうすぐ我が家に帰れる」...帰宅中のロシアの“英雄”ナワリヌイ氏に『あの悲劇』が起こるまで』より続く
待ち時間に飲んだ“紅茶”
ほどなくして私は、同行のキーラ、イリヤとともに空港ターミナルの中央に立っていた。いかにも早朝に見られる出張族である。出発まで1時間ある。辺りを見まわしながら、搭乗時刻までどうやって時間を潰すか考える。 「お茶でも飲もうか」と私が誘う。早速、店に向かった。 3つ先のテーブルで、こっそり私たちを撮影している男の姿が目に入った。もうちょっと品よくお茶を飲むべきだったか。どうせ「トムスク空港でナワリヌイ発見」などとキャプションを付けて、背中をまるめてお茶をすする私の姿をインスタグラムにさらすのだろう。この動画は、のちに数えきれないほど再生され、秒単位で映像が精査されることになる。問題の動画には、店員が赤い紙コップに入った紅茶を私にわたす姿が映っている。彼女以外は誰も紙コップには触っていない。 空港で私は「シベリアのおみやげ」と書かれた店に立ち寄り、キャンディを購入する。レジに向かって歩きながら、妻のユリアに手渡すときに何か気の利いたジョークの一つも言えないものかと考えていた。だが何も思いつかない。まあいい。そのうち思いつくだろう。
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