「レーダーもとらえられない」…北朝鮮が公開したコスパ最強ドローンの正体
北朝鮮が低価格でレーダー探知も困難な「段ボール製自爆ドローン」を開発したとみられる。 朝鮮中央通信は21日、武力装備展示会「国防発展2024」が平壌(ピョンヤン)で開幕したと報道した。北朝鮮は昨年7月にロシア軍事代表団を招いて「武力装備展示会2023」を開いており、それに続く行事だ。この日の行事では最小6種類の小型無人機がみられた。 15日に北朝鮮が自爆型無人機を報道した際にBMWの乗用車を攻撃する新しい形状の無人機がぼかし処理されて公開されたが、この日は写真上に鮮明な姿を表わした。 これについて軍事専門記者出身の庾竜源(ユ・ヨンウォン)議員は、「北朝鮮国防発展2024新型武器公開資料分析」と題する報告書を通じ、北朝鮮が段ボール製の自爆ドローンと推定されるドローンを公開したと評価した。 庾議員は「段ボール製ドローンに使われる翼と胴体を固定するゴムひもが識別された。コストパフォーマンスの良い武器システムの決定版と呼ばれる段ボール製自爆ドローンまで開発したとみられる」と明らかにした。 段ボール製ドローンは内外で製作されており、ウクライナの戦場にも投入された。ウクライナ軍がロシア国内の軍用飛行場を攻撃しミグ29、スホーイ30戦闘機と防空システムを破壊する時にも段ボール製ドローンが使われた。 北朝鮮の段ボール製ドローンは1機で車を全焼させられる威力を持っている。1機当たり価格は数百万ウォン(数十万円)にすぎず、作戦に失敗しても損失は大きくない。このドローンを大量に飛ばして要人暗殺用に使ったり、軍の主要装備を破壊したりする場合、韓国軍には少なくない脅威になる恐れがある。 庾議員室は「超低価格自爆ドローンで大量のドローンによる攻撃の可能性が高い。レーダー探知と迎撃も限定的だ」と話した。 北朝鮮は今回の武力装備展示会で、イスラエルのレーダー破壊自爆ドローン「ハロップ」、自爆ドローン「ヒーロー」と類似した形状の自爆ドローンも公開した。これらドローンは8月に北朝鮮がすでに性能試験場面を公開した機種で、当時も北朝鮮は写真にモザイク処理をした。 庾議員室は「北朝鮮版ハロップは飛行距離1000キロメートルと予想され、長距離攻撃型で縦深打撃用に開発されているようだ。対空レーダー無力化に向けた自爆ドローンとして開発されたと推定する」と伝えた。