【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅】アマゾン川流域に暮らす人々の優しさに救われる
ずっと憧れていたアマゾン川下りの旅。自分の木舟ペケペケ号と、一緒に旅してくれる友達をアマゾン川の上流のペルーの町プカルパでゲットして、旅の準備はバッチリ。女子2人で意気揚々と出航したものの、なんと初日から船外機にトラブルが発生。深いジャングルに囲まれた川をパドルのみで漂うことに。さあどうする、私たち!今回は、全然思い通りに行かないんだけど、なぜか楽しいアマゾン旅のお話です。 【写真12枚】グーグルマップで検索してもストリートビューは出てこないような小さな町「ティルンタン」の様子も。初日に舟が壊れてからのアマゾン旅を写真で見る
大ピンチ!なんとアマゾン川下り初日にペケペケ号が故障!?
愛しいボロ舟、ペケペケ号に乗ってアマゾン川を下り始めた初日に大事件が起こりました。なんと、船外機のスクリューが、エンジンと接続する棒ごとポキッと折れて川底に消えてしまったのです(前回の記事を参照)。 ◆海賊か?救世主か?突如現われた1艘の舟の正体は? 仕方なくパドルを手に取るも、漕ぐというよりただ川の流れに流されるがまま進む状態。もうすぐ夕方、このままだと暗くなってしまう。焦り始めたそのとき、川岸に私たちのペケペケ号によく似た舟が停まっているのを見つけました。 乗っていたのはひとりのおじさん。魚を捕る漁をしていました。 小回りの利く手漕ぎの小さなカヌーに乗って、夕方ごろに網を張り、朝になったら魚を回収して、大きい方の木舟で町まで売りに行くのです。 船外機のトラブルについて話すと、おじさんも網に魚がかかるのを待つために朝まで自分の舟で眠るそうで、ペケペケ号も一緒に係留させてもらえることになりました。ここを本日のキャンプ地とする! ほんとうはハンモックで寝たいのですが、ペケペケ号の背景からもわかる通り、ハンモックを張るのにちょうど良い木はそうそう都合よく生えていないのです。屋根の下に蚊帳を張って、その中で夜を過ごすことに決めました。アマゾン川は蚊がすごいんです。漁師のおじさんは蚊帳がないけれど、代わりに煙草をたくさん吸っていました。煙草の煙で蚊が寄ってこないのだそうで、漁をするときは煙草がかかせないのだとか。 ちなみに床に敷いたレジャーシートは、私たちが少しでも寝やすいように漁師のおじさんがくれたもの。なにもない川の途中で人の優しさに触れました。