目指すは世界一!代表候補の座を射止めた6人の逸材たち
その松村とともに、今回の候補選手に選出されたのは、桐生南ポニー・阿部敏久。選考会のピッチングでは105キロを計測するなど、快速球を投げ込んで首脳陣に対してアピールしてみせた。 170センチ、50キロと中学1年生ながら高身長ではあるものの、まだまだ細身の体格だ。しかし、腕の振りはムチのように鋭く振り抜かれていた。全身のキレも素晴らしく、身体能力の高さは垣間見えた。 阿部自身も、今のピッチングは、この体格であることが大きいと感じている。 「僕自身、山本由伸さんは憧れの選手なんです。だから腕をしならせて投げることは意識しているんですけど、今は体が大きいし、痩せているからこそ、腕がしなって投げられていると思っています」 とはいえ、実践練習では長打を許すなど、「高めに浮いてしまったり、失投を投げてしまったりしたのは課題でした」と反省をしているようだったが、これから迎える国際大会には楽しみを隠せていないようだった。 「対戦したことのない凄いバッターと勝負出来たり、自分の課題が見つけられたりするのが楽しみなので、国際大会では三振を取って、いいピッチャーに成長したいです」 たしかに外国人選手のパワーは恐ろしいものだ。しかし、ピッチングの軸となるストレートの強さは絶対的に必要な要素。松村、阿部ともに選考会ではその要素を十分に見せてくれた。今度は世界を相手に見せてくれるか。