目指すは世界一!代表候補の座を射止めた6人の逸材たち
その山田と同じく走力が光り、今回の候補選手に入ったのが、市原ポニー・松澤蒼だ。 選出されたときは「ちょっとびっくりしました」という松澤だが、一塁駆け抜けは3.55秒を記録。山田以上の脚力を披露した。「(足は)元々自信を持っていた」という実力をいかんなく発揮したというところだろう。 選考会ではピッチャーもやっており、走攻守バランスの良いプレーを見せていた松澤。そのなかでもバッティングにこだわっているという。 「自分の足を生かせるように、逆方向へのバッティングを意識しています。グリップから振り出して、水平にバットを振ろうとしているのですが、まだバットが重たくて振れなくて。だから最後に手先で操作してしまって、引っかけるケースが多いです」 バットの重さばかりは、練習のなかでバットを振り込んで慣れるしかない。ただ、まだ中学に進学したばかりで、体の成長期もこれからだ。きっと乗り越えられる壁だろう。今回出場するアジア大会はその壁を越えるきっかけになるだろう。 「色んな地方から選手が集まると思いますが、仲良くしたいですし、チームの勝利に貢献できるように頑張りたいです」 メンバーが限られている中、連戦を勝ち抜くのに、松澤のような選手は大事だ。どんな形でチームに貢献するか。
112キロの剛腕・松村勇太、長身右腕・阿部敏久のWエース
関東地区からは6名の選手を候補選手に選出したが、そのなかで2名が投手1本で選考会に参加。そのうちの1人、江東ライオンズ・松村勇太はピッチングで112キロを計測。会場をざわつかせた。 170センチ、72キロと恵まれた体格が印象的な松村。ワインドアップから力強いフォームで剛速球を投げ込む姿が印象深かった。本人はそれほど驚いていないようだったが、それは普段からの練習の成果を、日に日に感じていたからだ。 「最近は意識して体幹トレーニングをしていたので、その成果が出ているんだと思います。実際、軸足にきちんと乗せてから体重移動することを心掛けるようになると、自然と下半身を使って投げられるようになっていると思います」 まだ中学1年生ながら、ピッチングに必要な技術を覚え始めている松村。これからの3年間でどんな投手になるのか非常に楽しみだが、それは、このコメントからも感じられた。 「今日参加した同年代の投手を見て頼もしく思ったところもありますが、自分はもっと頑張って、ライバルたちを超えられるようになりたいです」