いつまで親が援助できる?ひきこもりの子どもの将来が心配【子への援助3】
年金生活のお金の不安&リスクを減らす!#3
家族をとりまくお金の問題。親から子への経済的にダメな援助・いい援助について、読者のお悩みを元にお金のプロと家族問題のプロに聞く最終回。今回は、ひきこもりなどで先の見えない不安にさいなまれる、子どもの将来に関わるケースについて聞きました。
教えてくれたのは、お金と家族問題の2人のプロ!
■畠中雅子(はたなか・まさこ)さん ファイナンシャルプランナー(CFP(R))。1963(昭和38)年生まれ。大学時代にフリーライター活動をはじめ、1992年にファイナンシャルプランナーになる。「高齢期のお金を考える会」や「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。『70歳からの人生を豊かにするお金の新常識』(高橋書店刊)他、著書・監修書は70冊を超える。 ■宮本まき子(みやもと・まきこ)さん 家族問題評論家、カウンセラー。1947(昭和22)年生まれ、津田塾大学卒業。79年から22年間、主婦の友社の電話相談室で育児、親子関係、家庭問題などのカウンセラーとして勤務。現在はフリーライター、エッセイストとして著作のかたわら、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどでコメンテーターとして活躍。『孫ができたらまず読む本』(NHK出版)『輝ける熟年』(東京新聞出版局)など著書多数。
もはや他人事ではない!? 8050問題
ここ数年、社会問題にもなっている「8050問題」。80代の親が、自宅にひきこもる50代の子どもの生活を支えつづけ、精神的にも経済的にも追い詰められている親子間の問題を表した言葉です。 そこで、3つ目のケースではひきこもりの子どもを持つ親が今できる対処法や将来への備え方について教えてもらいました。
自分亡き後の子どもの援助、誰かに託せる仕組みはある?
■Q.ひきこもりの娘の生活費、親が死んだ後は、息子に管理を任せてもいいでしょうか ――渡辺かずみさん(77歳) A.息子に無理強いせず、できる援助を話し合って 自分が認知症になったり、亡くなった後、ひきこもりの子の金銭面のサポートはどうすればいいか。一人でがんばってしまう方ほど、不安が募って感情的になり、つい他の子どもにべったりと頼ってしまいがちです。 家族とはいえ、子どもたちはそれぞれ独立した存在。やむをえずひきこもりの子の財産管理を子の兄弟にお願いするときも、無理強いや無償で任せてはいけません(宮本さん) 息子さんのような兄弟姉妹に、娘さんの扶養に関する義務はありません。親が元気なうちに、息子さんが「引き受けてもいいと思うこと、引き受けられないこと」を話し合いましょう。できないことの中で、金銭管理については信託銀行にまとまったお金を預けて、定期的に娘さんの口座に振り込んでもらうような仕組みを検討できます。 入院時の保証人や日々の生活サポートについては、身元保証会社(有名なのは「きずなの会」や「りすシステム」など)に依頼することができます。依頼すれば費用がかかりますが、すべてを無償で息子さんに依頼するのは、負担が重すぎます。まずは息子さんができることと、できないことの整理から始めてください。(畠中さん)