週3のジェット通勤は多すぎだろ? スタバ新CEOに集まる批判
プライベートジェットの環境負担
プライベートジェットは、二酸化炭素を1時間あたり2トン排出するといわれています。日本の1人あたりの二酸化炭素排出量(2022年)は、年間で8.3トンなので、プライベートジェットで4時間飛べば、ほぼ日本人1人分の排出量になります。1日で平均的な日本人の1年分以上の排出量ということに。 プライベートジェットの1人あたりの排出量は、商業用飛行機の5倍から15倍、電車の50倍にのぼるといいます。航空業界からの排出量は、世界全体の2.8%を占めています。意外と少なく感じるかもですが、問題は世界人口の1%がその50%を排出していること。 プライベートジェットからの排出量だけに注目すると、また印象が変わるんですよ。研究結果によると、2016年のプライベートジェットによるCO2排出量は3,370万トン 。同年における世界全体の排出量が364億トンだから、プライベートジェットの排出量は、全体の0.00093%に過ぎません。 じゃあ別にいいじゃん、と感じる人もいると思います。でも、企業として排出量削減目標を掲げ、気候と環境にやさしいイメージを与えている以上、CEOが企業所有のプライベートジェットで通勤するのを、行動が伴っていないと批判されるのは仕方ないのではないでしょうか。
必要なのは規制と高額な飛行料
富裕層のプライベートジェット利用は、テイラー・スウィフトなどのセレブを筆頭に、イーロン・マスクやビル・ゲイツなども批判の的になっています。スウィフトやゲイツはカーボンオフセットを購入していると主張していますが、気候変動の影響はオフセットできません。 プライベートジェットの利用を減らすには、医療的に緊急を要するケースなどと不必要な利用を分けて、不要不急ではない利用の規制や、セレブでもためらうほどの飛行料を求めるなど、プライベートジェットを使うととんでもなく高くつく政策を採る必要があると専門家は指摘します。 倫理観に訴えたり、罪悪感を抱かせてプライベートジェットの利用を減らそうとしても、使えるものは使っちゃうと思うので、やっぱり使いたくても使いにくくしていくのが得策なんじゃないですかね…。 Source: Starbucks (1, 2, 3), SEC, CNN (1, 2), The Guardian Reference: Travel Math, European Federation for Transport and Environment, 国立環境研究所, Context, Gössling and Humpe 2020 / ScienceDirect, Reuters, AP, The Washington Post
Kenji P. Miyajima