日銀・黒田総裁「賃金上昇する基盤整っている」 春闘に期待感
日本銀行の黒田東彦総裁は31日、金融決定会合後に会見し、春闘に絡んで「単に物価が上がればいいではなく、物価、賃金上昇の好循環を目指している」と述べ、好調な企業収益などを背景に賃金アップに期待感を示した。 【動画】成長率見通しを上方修正 日銀・黒田総裁が決定会合後に会見 31日の金融決定会合でまとめた1月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、実質国内総生産(GDP)成長率の見通しを上方修正した。2016年度は従来の1.0%から1.4%、17年度は1.3%から1.5%、18年度は0.9%から1.1%にそれぞれ引き上げた。 黒田総裁は、中央銀行の立場でとやかくいうものではないがと前置きした上で、成長率見通しを背景に「メインシナリオは上振れしている状態」と指摘。「企業収益は過去最高に近い水準で推移している。企業収益や雇用情勢を見るとベースアップ、ボーナスアップで賃金上昇する基盤は整っているのではないか」と述べた。