春はシワとたるみのセルフケアのチャンス(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)
「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回は「シワとたるみのセルフケア」について。
シワ、たるみはセルフケアできる
漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。 冬が過ぎ、生き物たちは陰から陽へとエネルギーをシフトさせています。さて今回は「春にやるべき美容ケア」についてお話ししたいと思います。 漢方養生というと、不調を如何に解決するかという話題に終始しがちですが、健康と美容は常に表裏一体。自分の力を発揮できるカラダは快適で美しいものです。 シワ、たるみ、ほうれい線は加齢に伴って程度が大きくなるものですが、実はセルフケアの介入の余地が大いにあります。鏡をのぞき込んでため息をついているのはもったいない! もっとも効果が見えるシーズンに、理論を踏まえて実践です。
春は美容のベストシーズン
春は陰から陽へ、と冒頭でも述べましたが、自然界の春のエネルギーの向きは下から上、さらに勢いもあります。カラダを巡る気の流れも、これと上手にシンクロできるとリフトアップ効果が期待できます。 やる気に満ちているとき、ふと鏡を見て「今日はいい顔をしているな」と感じた経験はないでしょうか。気が充実して巡っているとき、人はきれいになりますよね。 漢方の用語「気」は、私たちが生活している普段の何気ない場面にもたくさん使われています。元気の気とか、気のせいの気とか、またエネルギーと言い換えたり、「気」の指すところはなんとなくでも感覚的に分かる方が多いと思います。 漢方の教科書ではより具体的にその働きをまとめているのですが、カラダを巡る気には「上へ引き上げる」や「あるべき位置にとどめておく」、「血、水、五臓の動きを促す」といった働きがあります。これが機能しないと、垂れ下がる、漏れ出る、淀み溜め込む、など、およそ自分のカラダには起こってほしくない影響が出てしまいます。 反対に、充実した気が滑らかに巡るカラダは「上へ引き上げ」、内臓やその他の組織を「あるべき位置にとどめて」、また「血、水、五臓の動きを促す」ので老廃物をきちんと排出できて、むくみやくすみがありません。 気が充実して勢いのある春は、まさに美容のベストシーズンです。