マルチモーダルAIメガネ『Frame』詳細。39gにOLED画面とカメラ搭載、見たものを翻訳やナビなど。4月出荷で予約受付中
シンガポールのAIデバイス企業 Brilliant Labs が、メガネ型端末「Frame」を発表しました。 メーカーの表現では、Frameは「世界初のマルチモーダルAI搭載グラス」。 AI系のニュースでよく聞くマルチモーダル (multimodal)はそのまま「複数のモード」で、要は文字・音声・画像などを複数扱えること。 Frameは39gと軽量な丸メガネ型にディスプレイとカメラ、マイク、Bluetooth無線を内蔵した製品。スマートフォンのアプリと接続することで、 メニューや看板、本のページなど、いま見ているものをAIに翻訳・要約・検索・説明させる ディスプレイに道案内やメッセージ、時刻や天気予報、通知などを表示 LLM (大規模言語モデル)ベースのAIと会話して調べ物や検索。結果を声で読み上げたりディスプレイに表示 といったことが可能になるとしています。最近は資金を調達しやすいのかどこも「AIハードウェア」を自称しがちで、なかには本当に宣伝どおりのデバイスを出荷できるのか怪しいものもないではありません。
一方、Frameを発表したBrilliant Labs は既存のメガネにクリップオンする片メガネ型のディスプレイ端末「Monocle」をすでに開発・販売した実績があり、Frameは「Monocle」を外付けではなくメガネ組み込みにして発展させたような製品です。 Brilliant Labs の創業CEO Bobak Tavangar は元Apple社員。出資者・協力者としては、Siriの共同創業者で買収後にAppleにも所属していたAdam Cheyerr 、ポケモンGOで知られるNianticの創業CEOで、ARの先駆者としても知られるジョン・ハンケなど。
640 x 400マイクロOLEDディスプレイとカメラ・マイク搭載
ハードウェアの仕様としては、まず右目側に640 x 400解像度のマイクロOLEDディスプレイ。カラー表示に対応します。 右目側フレーム上部にある小さなマイクロOLEDディスプレイの光が真下に進み、レンズ内のビームスプリッター(いわゆるハーフミラー)で向きを変えて、正面の自然な光とともに眼に届きます。 FOV (Field of View、視野に占める角度)は対角で20度。 人間の目の視野角は周辺視野まで入れれば左右に180度近くあり、「視界を覆う」と表現されるVRヘッドセットも一般的な製品では対角で90度から120度程度。 XREAL Air や VITURE One、Rokid Maxなどサングラス型のディスプレイ、いわゆる「ARグラス」は、製品によるもののおおむね40度から50度程度で、視界の正面に四角い窓が浮かぶ感覚です。 FrameのFOV 20度は比較するとかなり狭いことになりますが、これは映像を鑑賞したり視界を覆って没入する製品ではなく、自然に見えている視界に文字やシンプルなアイコン、地図といった情報を添える使いかたを前提とするため。