UBS、クレディS統合後見据え次の展開を模索-エルモッティCEO
(ブルームバーグ): スイスの銀行UBSグループのセルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)は23日、テクノロジーの進歩が業界全体に波及していることを踏まえ、クレディ・スイス統合後を見据え次の展開について考え始めていると明らかにした。
エルモッティ氏は国際金融協会(IIF)の会合で、「他の多くの業界と同様に、われわれの業界も今後5年から10年の間に多くの変化を経験するのは明らかで、それに対する備えが必要だ」と指摘。
「テクノロジーの変化が大きな影響をもたらすのは間違いない」として、それが銀行業務の効率アップと顧客サービス向上に寄与するとの見方を示した。
UBSは昨年買収したクレディ・スイスの統合を進めている。エルモッティ氏によると、この作業には6月末までの1年で40カ国の80に上る規制当局による180件の承認が必要となったが、UBSは合併の実行リスクを「大きく」抑制することができたという。
同氏はITシステムの移行に絡む複雑性に触れた上で、クレディ・スイスが保有していた3000のITアプリケーションのうち、UBSが維持しているのは約300だけと説明。これが「収益性回復に必要なコストシナジーの実現」に寄与していると話した。
UBSは買収時に設定した全ての目標を上回っており、株価はこの1年で35%上昇している。
クレディ・スイスを巡る混乱から銀行業界が学んだ最大級の教訓はは、バランスシートをより流動的に保つことの重要性だとエルモッティ氏は言及。「稼ぐ銀行が嫌われるのは分かっているが、銀行が損失を出すことほど悪いことはない。特に評判に問題がある場合はなおさらだ」と語った。
原題:Ermotti Says UBS Is Thinking About What’s Next After CS Merger(抜粋)
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Laura Noonan