NISAで毎月「3万円」を積み立てる同僚を見て焦っています。「月1000円で30年」積み立てでも効果はありますか?
2024年1月から新たなNISAが始まりました。この機会に、積立投資を始めることを考えている方も少なくないと思います。今回は、新NISAの概要と始め方を説明するとともに、積立投資の効果とポイントについて解説します。
NISAの概要
2014年1月から個人投資家のための税制優遇制度として始まったNISAは、2024年1月から大幅に制度を見直して「新NISA」として新たにスタートしました(※1、2)。 1.NISAにおける税優遇制度 通常、投資資産に対して運用間に配分される配当や売却時の譲渡益に対しては、20.315%の所得税、住民税および復興特別所得税が課税されます(※3、4)。一方、NISAで投資すると、配当や譲渡益に対する課税が免除されます(※1)。従って、投資を始めるならば、NISAを利用することをお勧めします。 2.新NISAの特徴 従来の「一般NISA」および「つみたてNISA」と比較して、新NISAには次のような特徴があります(※2)。 (1)非課税保有期間の無期限化 投資資産を非課税で保有できる期間は、「一般NISA」は5年、「つみたてNISA」は20年に限られていましたが、新NISAでは無期限で保有することができるようになりました。 (2)口座開設期間の恒久化 NISA口座を開設できる期間は、「一般NISA」および「つみたてNISA」ともに2023年までに限定されていました。しかし、新NISAでは恒久的に開設できるようになりました。 (3)つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能 「一般NISA」と「つみたてNISA」を併用することはできませんでしたが、新NISAでは1つの口座内で「つみたて投資枠(これまでの「つみたてNISA」)」と「成長投資枠(これまでの「一般NISA」」を併用することができるようになりました。 (4)年間投資枠の拡大 年間で投資できる枠は、「一般NISA」が120万円、「つみたてNISA」が40万円に限られていましたが、新NISAでは「つみたて投資枠」で120万円、「成長投資枠」で240万円を投資できるようになりました。結果として年間投資枠は、2種類合わせて年間360万円にまで拡大されました。 (5)非課税限度額の拡大 非課税で保有できる限度額は、「一般NISA」が600万円、「つみたてNISA」が800万円に限られていましたが、新NISAでは最大で1800万円(うち「成長投資枠」1200万円)に拡大されました。 3.新NISAの概要 上述した新NISAの概要をまとめると、図表1のとおりです。なお、表中カッコ内の表記は、2023年までの「一般NISA」および「つみたてNISA」における値になります。 図表1