世田谷一家殺害事件の犯人に繋がるか…未解決事件犯人のDNAから顔再現する“ゲノムモンタージュ” 犯罪被害者遺族も切望
捜査になぜ使えない?遺族らが法整備求める声
こうしたDNA分析を日本でも重要未解決事件の捜査で活用できないか。 25年前、自宅で妻を何者かに殺害された高羽悟さんは、現場となったアパートの部屋を転居した後も借り続けている。玄関に犯人の女が残したとみられる血痕が残っているからだ。 血痕に残されているDNA検体をいつか犯人をつきとめるために使えないかと考え、血痕をビニールシートで覆って保存しているという。 高羽さんら犯罪被害者の遺族らからなる団体「宙の会」は2024年、DNAモンタージュを可能にする法整備を求め、国会や首相に要望書を提出している。 今後、立法府で議論がおこることを期待したい。 2010年に殺人事件などの時効が撤廃されたことにより、重要未解決事件には殺人事件を担当する警察の捜査一課が専従捜査員を配置している。手がかりが全くない捜査は、真っ暗な暗闇を電灯もなく進むようなものだという。犯人が自分のDNAを残している世田谷一家殺害事件こそ、犯人のDNA分析でわかった新たな犯人像を取っかかりに、捜査に弾みをつけるべきとの声も上がっている。 (執筆:フジテレビ解説委員 上法玄)
上法玄