桐蔭学園、連覇へ王手 準々決勝に続く後半逆転 7日の決勝へ主将のFL申驥世「自分たちの強みを出したい」
第104回全国高校ラグビー準決勝(5日、国学院栃木14-25桐蔭学園、花園Ⅰ)前回覇者の桐蔭学園(神奈川)が国学院栃木に25―14で逆転勝ち。FL申驥世(しん・きせ)主将(3年)を中心に一丸で戦い、第99、100回大会以来の2連覇となる通算5度目の優勝に王手をかけた。東海大大阪仰星(大阪第2)は常翔学園(大阪第3)を29―26で振り切り、3大会ぶり7度目の頂点を目指す。桐蔭学園と東海大大阪仰星の決勝は7日午後2時キックオフ。 激戦の終わりを告げる笛を聞くと、桐蔭学園の選手たちは冬空に向けて両腕を突き上げた。大阪・花園での国学院栃木との関東対決を制した。 「接点のところはこだわって全員で体を張ることを意識している。基本をやり続ければチャンスが来ると思っていた」 主将のFL申が胸を張った。前半7分に先制トライを許し、0-7。しかし16分、敵陣深くのラインアウトからモールで押し込み、高校日本代表候補の申がトライ。前半を8-14と踏ん張った。 風上に立った後半は接点で優位に立ち、ここまで3試合で許したトライはわずか1つという堅守の相手を崩した。7分、ラックからSH後藤快斗(3年)が持ち出してのトライで、キックも決まって15-14と逆転。その後は攻め込まれても、申が相手の反則を誘うなど、主将を中心に体を張り続けた。運動量も光り、21分のトライで突き放した。後半は失点なしで、26-14で制した3日の準々決勝・大阪桐蔭戦に続く逆転勝利だ。 その3日の夜のミーティング。春の選抜大会優勝の強敵を破った後だけに、最初の雰囲気は「ふわっとしていた」と後藤が明かす。しかしチームスタッフは、準決勝で国学院栃木に敗れた3年前の花園の苦い思い出を強調した。後藤は「(3年前は準々決勝に勝って)気持ちに隙ができた、という話を聞き、勝っても気持ちを抜かず、やれることを最大限やろう、となった」。申主将は宿舎のホワイトボードに「自分の力を出し切る」という言葉を書き込んだ。 7日の決勝へ、申は「自分たちの強みを出したい」と言い切った。高いスキルと豊富な運動量が武器。本来の力を油断なく発揮し、桐蔭学園が連覇を達成する。(石井文敏)