【中学受験相談】偏差値40台!のんびり屋の小4長女に試験本番まで並走できるか不安です|VERY
始めたばかりはどうしても試行錯誤 無理せず子どものペースに合わせることが最高のパフォーマンスにつながります
オ:現実として中学受験が今そこまで過熱しているなら、僕も穏やかに聞いていられないというか……。塾ももうちょっと考えてくれよという気持ちになります。これはこの子たちを本当に幸せにするのかって問いから塾が逃げているって思います。ごめんなさいね、話が質問から外れてしまいました。 M:やればやるだけできるなら、やらないのが悪いのかなって。 オ:そう思わされちゃいますよね……。各ご家庭の教育観やライフスタイルの中に中学受験をどう位置付けるかって、どうしても試行錯誤になります。1を聞いて10理解する子ならサクサクいくケースがまれにあるけれど、まあほとんどないので。いかに塾と家庭が連携して子どもを支えるハッピートライアングルを完成させていくか。まずはそこだと思うんです。 M:あー。なるほど。 オ:小3から塾に通っていれば、新しい子たちがごそっと入っくる小4の時点では偏差値が高く出るんですよ。慣れているから。だから「あー、早めにやっておいてよかった」って思うんです。だけど半年1年やっていくと、あとから入ってきた子たちも慣れてくるから結局抜かされちゃう。そうなるとめちゃくちゃ焦るんですよ。で、やらせすぎちゃったりするとおかしくなる。だから早く始めるのにもリスクがあります。 M:はぁー、そうなんですね。 オ:中学受験の勉強を始めたばっかりのころは「うちの子はどこまでポテンシャルがあるのかしら」「あるなら伸ばしてあげたい」って、当然の親心じゃないですか。だけど無理をしてポテンシャルが上がるわけではないと思うんですよ。その子なりのペースでやったことが、結局最高のパフォーマンスにつながるんですよね。目先の成果を焦って下手に子どもに無理させてしまったり、あるいは「こんなんじゃダメじゃない」って子どもを傷つけてしまうと、「勉強ってつらいんだ」「私こんなもんなんだ」って、自己暗示をかけちゃうから。それこそあとからではどうやってもほどけない、呪いみたいなもんですよね。怠けているときに、ちょっと油断してるんじゃないのって思うかもしれないけれど。でも小学校4年生を脅して勉強させたところで、それは子どもを傷つけることにしかならないと思うから。あるいは、「ここでいい点数が取れないなら、あなたの人生はお先真っ暗よ」なんて脅せば、子どもは怖いから自分からやるようになりますよ。 M:ふーん! オ:世の中ではそれを「自主性」って言っちゃったりしてるんですよ。「自分から机に向かう子」なんて言っちゃって。でも違いますよね。脅されているからやっていることであって。それは非人道的だと思うんです。そういう中学受験とは距離を置くっていうところで、いまは親が試されているんだなって思います。そういう時に「それじゃ甘いのよ」って、素人の親とかSNSの人たちが言っていたりするんでしょうけれど、それは聞き流せばいいというか。横からそういうことを言ってくる人ってちょっと特殊じゃないですか?自分の軸がしっかりしている人って、たぶんよそのご家庭の中学受験に口なんか出さないはずなので……。ごめんなさい、あんまり解決になってないなあ。 M:あー!いやいやいや(笑)。なんか、やれるだけやらなきゃいけないっていうマインドを持ってないといけないと思っていたんですが、小学生らしい生活とか家庭の方針のほうが重要なのかなってことは、わかりました。 オ:算数の宿題が毎日2時間ぶんだとしても、他の教科とちゃんとバランスが取れているんならいいけれど、それぞれの教科がそれぞれに、「不足のないように多めに出しておきますね」ってなってたら、高齢者がいろんな病院でそれぞれの薬をもらってきてオーバードーズになるみたいなね。そういう状況になっているなら、それはさー、もうちょっと塾のほうでコントロールしてよって思います。 M:そうですね。 オ:量を減らしたことで偏差値が落ちても先生たちのせいにはしないからと。家族のライフスタイルとか小学生らしい生活を保てる範囲でやるべき課題の優先順位を教えてくださいって相談をして。この1年間をかけて、いろいろさじ加減を調整してみる。トライアンドエラーもあると思います。やらせすぎちゃったってエラーもあれば、ちょっと努力が足りなかったってエラーもあるだろうし。それにしても、4年生からそんなにやらせるんだなって。今、僕がちょっとモヤモヤしてますもん。これどうしたらいいんだろうなーって。 M:ああ、そうなんですね。そんなもんだよって言われるかと思っていました。 オ:そこに疑問を感じられるってことは、お母さんは真っ当なんだなって僕は思いますよ。過激な中学受験に過剰適応しちゃうと「そんなもんじゃない」って言われるのかもしれないけれど、そこには適応しないでいいと思います。 M:わかりました。ありがとうございます。