【Bellator】試合キャンセルのピットブルが不満表明「日本とは上手くいかなかった。じゃあ」、セルジオ・ペティスは「日本からオファーが来たけど──」
◆オイルマネーとMMA、スポーツの関係
PFLは、2024年10月に『PFL Super Fights: Battle of the Giants』として、2年10カ月振りMMA復帰のフランシス・ガヌーとヘナン・フェレイラのPFLヘビー級スーパーファイト王座戦を実施したばかり。これは、サウジアラビアの首都リヤドで、サウジアラビア総合娯楽庁の主催で毎年開催されるエンターテイメントの祭典『リヤド・シーズン』の一環として行われたもの。ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者の井上尚弥が大型スポンサー契約を結んだのも、この『リヤド・シーズン』だ。 こういった中東諸国では、MMAのみならず、ボクシング、サッカーやゴルフ、eスポーツなどにも多額の投資を行い、スポーツを使ってオイルマネーの国のイメージを変え、原油一辺倒の経済からの脱却を図るなど、政治的な策略が含まれている。 今回の『ROAD TO DUBAI』も、「ドバイを世界有数の商業都市、投資ハブ、観光デスティネーションにする」というドバイ経済アジェンダ『D33』の目標に沿ったもので、PFLのみならず、MMAビッグマッチの中東大会の増加は、さまざまな背景から増加傾向にある。 しかし、PFLが買収したBellatorは、2024年11月16日にフランス・パリのアディダスアリーナで開催予定だった「Mix vs. Higo」をキャンセルしたばかり。さらに、企画段階だった大晦日Bellator日本大会も暗礁に乗り上げており、試合が決まらないファイターたちからは不満の声も挙がっている。
◆パトリシオ「日本とは上手くいかなかった。じゃあ、別の場所でショーをやればいいじゃないか」
パリ大会がキャンセルされたパッチー・ミックスはXに「僕はこの半年間、無駄にトレーニングを積んできた。キャリアの全盛期なのに、11月の試合がキャンセルされて悔しいよ。そしてまた、1月のドバイのカードから外されると言われているんだ。僕は世界最強で、それを証明するために戦いたいんだ」と投稿。 それを引用する形で対戦相手のレアンドロ・イーゴも「これはとても悔しいことだ。2試合連続のキャンセルで、いつ戦えるか全く分からない。この試合は時間が勝負だから、プライム(タイム)を傍観して無駄にするわけにはいかない。僕はタイトルを取るために、お金と汗と血を使って頑張っている。どうなってる?」とコメントした。 イーゴの投稿に、鈴木千裕との再戦をアピールしていた現Bellator世界フェザー級王者のパトリシオ・ピットブルは、「2月から試合をしていない。今年は3回試合をしたかったんだけど『12月31日まで待たないといけない』と言われ、ネットで対戦相手が他の選手と戦うことを知ったんだ(鈴木vs.クレベル・コイケ)。その後、代わりの選手が決まり、僕は人(スパーリングパートナー)を連れてきて、キャンプでお金を使ったが、試合はない。 彼ら(Bellator)は、日本とは上手くいかなかった。『自分たちのせいではない』と言った。分かったよ。じゃあ、別の場所でショーをやればいいじゃないか。少なくとも年に2試合、ファイターに試合をさせられないプロモーションなんてあるのか? 今年まだ試合をしていない選手もいる! Bellatorはかつてビッグだった。物事は上手くいき、常に答えがあった。ただ試合をキャンセルして、いつ試合が組めるか分からないなんてことはなかった。地方のプロモーションでさえ、すでに来年の4月の日程が決まっているというのに! この合併はMMAというスポーツにとって災難だった。 一方、我々はトップがソーシャルメディア・パーソナリティやセミリタイアしたファイターに数千万ドルを提供することを話しているのを見なければならない。他方で、ロースターの90%をカットし、30歳以上のファイターには高すぎると言っている。イベントも開かず、ファイターにギャラも払いたくないのに、どうやって世界ナンバーワンになれるんだ? Bellator、そしてMMA全般の将来がとても心配だ。今年、試合にも出られなかったファイターや、ショーが作れないから、あるいは高いからという理由でカットされたファイター、そして減給を余儀なくされたファイターたちがとてもかわいそうだ。 これは間違っている。我々には答えが必要であり、ファイターとファンが尊重される必要がある。これはゲームでも、単なるビジネスでもない。真剣なプロモーションなら、ファイターが健康であれば、少なくとも年に3回は戦うチャンスを与えるはずだ」と、大会開催と試合オファーを待ち続けている状況を明かした。 また、現Bellator世界ライトヘビー級王者のコーリー・アンダーソンは「温かいチーズのように年老いて、 PFLからの電話を待っている。でも誤解しないで。我々はまだ誰に対してもストラップ(ベルト)を守る準備ができています! 若くても歳をとっても!!」と投稿。 現Bellator世界女子フェザー級&現PFL世界女子フェザー級スーパーファイト王者のクリス・サイボーグは、「私はPFLのベルトを獲得した後、Bellatorのベルトを守る準備ができています。オーバータイム(コーリー・アンダーソン)と同じカードに載せてください」と、10月PFLでのラリッサ・パシェコ戦に続く試合を望んだ。