<【推しの子】>「普通とは逆を行く」アニメのこだわり “盛り”で原作の感動を伝える 平牧大輔監督インタビュー
「【推しの子】」の“色”のこだわりは、スタッフィングにも表れている。第1期では、平牧監督いわく、「色に強い」という猫富ちゃおさんが助監督と共に「カラースクリプト」と呼ばれる色の統括を担当した。
「色というのはやはりセンスなのですが、猫富さんは“センス極振り”の方なんです。色の部分は、ほかの作品であれば自分がやっていたことなのですが、『マンガを読んだ時の感情を変換する』という共通認識があれば、お任せできる。第1期の第1話でも、猫富さんのセンスが発揮されています」
第2期では、“センス”の要素を増やすべく、助監督が2人体制となっている。第2期で猫富さんと共に助監督を務めるのが、第1期の第6話「エゴサーチ」の絵コンテ・演出を担当した仁科くにやすさん。「エゴサーチ」では、黒川あかねがネットの誹謗(ひぼう)中傷に追い詰められていく姿が生々しく描かれ、話題になった。
「仁科くんは、過剰なほどにキャラの掘り下げができる。『エゴサーチ』でやっていただいたことを、第2期では全体に引き延ばす形で関わっていただいています。第2期の舞台稽古(げいこ)のシーンで、姫川大輝の演技に有馬かなが衝撃を受ける姿を、ペンキが顔にかかる描写で表現していますが、あれは仁科くんのセンスですね」
◇目の中の星はスター性の象徴 2.5次元舞台ならではの演出
「【推しの子】」は、アイ、アクア、ルビーらキャラクターの目の中に“星”が描かれるのも印象的だ。平牧監督も原作を読み、「目に星がある!」と驚いたという。
「原作の先生とお会いした時に、目の星は『スター性の象徴である』とおっしゃられていたので、それをアニメで置き換えるとどうなるかと考えた結果、今のような表現になっています。スター性のあるキャラクターだけ光るようにしていて、現状は、アイ、ルビー、アクア、かな、あかね、MEMちょの瞳は光る場合があります」
アニメで描かれる目の星は、ハッとさせられるほどに美しく、インパクトがある。