日銀・黒田総裁会見3月16日(全文3)非常に効果があると思っている
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の16日午後、記者会見を行った。当初、会合は18、19日に開く予定だったが、前倒しした。 【動画】新型コロナ対応で追加の金融緩和 日銀・黒田総裁が会見 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「新型コロナ対応で追加の金融緩和 日銀・黒田総裁が会見(2020年3月16日)」に対応しております。 ◇ ◇
会合の前倒しを決めたのは今朝か
朝日新聞:朝日新聞の寺西です。前倒し会合の件なんですけども、パウエル議長は12日にきのうの日曜日の臨時会合を決めたというようなお話がありましたけど、総裁がその前倒し会合を決められたというのは今朝の話になるのか、それとももう少し以前なのか、それについて教えてください。 黒田:当然、今朝、前倒し会合をしますということを公表し、当然、政府の出席者の方にも出ていただかなければなりませんし、それから何よりも政策委員全員が出席しなければなりませんので、当然そういう方々に通知すると同時に公表したということであります。 FRBは日曜日にやることについて事前に別に公表していないですね。だからたぶん、いつ決めたんですかと聞かれたんだと思いますけれども、私どもはこういうのをやるときは事前に公表しますので、まさに、基本的に前倒しが決まったのは今日ということになりますね。
金融機関の信用不安につながるリスクはないのか
朝日新聞:追加で。リーマンと違うという、先ほどから何度かありますけれども、アフリカの金融機関なんかはドルの調達なんかで結構スプレッドが広がってきてますという話がありまして、リーマンのときも200ベーシスポイントぐらいスプレッドが広がったみたいな、今、足元が50ベーシスぐらいというような話で、ドル調達がちょっと難しくなってきてるぞという話もありますけども、この辺りから、いわゆる金融機関の信用不安みたいなものにつながっていくというリスクはないんでしょうか。 黒田:ご案内のとおり、ドル調達プレミアムに上昇が見られるということは事実なんですけども、日本の金融緩和を取ると、かなり前広に資金の手当てをしているようでありまして、ドルオペのいつも入札にも、入札希望が出てこなかったんですね。ただ、ご指摘のように、全体としてリスク回避的というのは、リスク資産からリスクのない資産、典型的には国債とか、さらに一部は現金のほうにシフトしている面もあるようでして、そうなると、国際的な取引の面でいうとどうしてもドルっていうのが国際的な取引に圧倒的に使われているわけですので、そういったものに世界各国の企業とか何かがドルの手当てを早くしようっていうことになってくると、ドルの需給を逼迫するという恐れもありますので。 だからそこは、リーマンショックのときは欧米、特に米国の金融機関が大変なダメージを受けて、ドル資金をそれまでのように潤沢にマーケットに供給できなくなってきたわけですね。今回はそういうことよりもむしろ、企業とか投資かとか何かがリスク資産からリスクのない資産、さらには一部、現金にシフトしているといわれているので、そういうものに対応するために、日本銀行としても円の流動性を潤沢に供給しますし、それから外貨の取引っていうとどうしてもドルが中心ですので、この6中銀スワップを活用して、必要に応じて日本の企業なり金融機関なりにドルの流動性を潤沢に供給できるようにしたということだと思います。