<ラグビー>W杯、優勝候補はNZ、対抗は豪州、穴はアイルランド
4年に1度のラグビーワールドカップ(RWC)が、9月18日にイングランドで開幕する。 RWCはオリンピック、サッカーワールドカップに次ぐ大規模なスポーツイベントだ。全世界から20チームの国代表が集まり、優勝トロフィーである「ウェブ・エリス・カップ」の獲得を目指す。6大会ぶりの勝利と準々決勝進出を狙う日本代表以外にも、見どころは多い。 優勝候補に挙げられるのはニュージーランド代表。オールブラックスの異名をとる世界最強軍団だ。 日本代表の田中史朗は、ニュージーランド代表の強さの理由を聞かれ「ニュージーランド人じゃない選手もオールブラックスを真剣に目指している」と即答する。南半球最高峰スーパーラグビーのハイランダーズに加入し同国で暮らすなか、王国の代表を目指す分母の数、オールブラックスが国を挙げて厚遇されるさまを肌で体感したのだ。 RWCでは、1987年以来の第1回大会以後はしばし王座から遠ざかっていた。しかし、母国開催の前回大会では見事に優勝。司令塔のスタンドオフに3名のけが人を出しながら、層の厚さを示した。12年以降のテストマッチでも43勝3敗2引き分けと、抜群の勝率を誇る。田中の口癖を借りれば、「全員が自分たちのやることを理解している」組織である。常に連携を取り合い、守備網の組織でえぐる。球を繋ぐなかで、ボクサー経験もあるセンターのソニー・ビル=ウィリアムズら個性派が持ち味を出す。 今大会で有終の美を飾るとされるフランカーのリッチー・マコウ主将、前回大会ではけがに泣いたスタンドオフのダン・カーターと、100キャップ(テストマッチ出場数)超のシニアプレーヤーも屹立。スクラムハーフのSHアーロン・スミスは、ラン、パスともにスピードがあり、ハイランダーズで定位置を争う田中にも「全てにおいて能力が高い」と称賛される。万能型のセンターであるコンラッド・スミスら、安定感ある脇役も揃う。試合当日の精神状態はいざ知らず、これまで顕在化されているプレーの質は群を抜いていよう。