「会社に行きたくない」と感じたら要注意…真面目な人ほど心を病む「ストレス以上、うつ病未満」の重大リスク
■「ま、いっか」は魔法の言葉 【澤円】ところで、中島さんのご著書には、必ずといっていいほど「ま、いっか」という言葉が出てきます。この言葉には、「自分は自分」「このままでいいんだ」と気持ちが緩むような軽やかさを感じます。うつ感情の予防にもよさそうですね。 【中島輝】どこかで「区切りをつける」ことは、ストレスのマネジメントにおいてとても重要です。この「ま、いっか」は、区切りをつけるためのマジックワードなのです。 ストレスを感じたとき、その事実そのものを消すことはできません。でも、その事実に区切りをつけることはできますよね? 「今日は嫌なことばかりが続くな」「ストレスを感じちゃったな」と思った際、「でも、ま、いっか」と口に出したり思ったりしてみましょう。 要するに、その言葉をトリガーにして、ストレスを感じた事実と自分を切り離してあげてほしいのです。すると、「ここからはストレスを感じていない自分だ」と思え、気持ちがポジティブな方向に向かっていくはずです。 【澤円】先に、「自分を労る」ともおっしゃっていましたが、自分に優しく接するような姿勢が大事ということでしょうか。 【中島輝】他人には優しくできても、自分には厳しいという人は意外なほど多いものです。でも、他の誰でもない自分自身こそが、自分の理解者であり、共感者であり、応援してくれる存在なのです。そのように自分自身を捉えて、自分を優しく労ることを考えてほしいと思います。 ---------- 中島 輝(なかしま・てる) 心理カウンセラー 自己肯定感アカデミー代表、トリエ代表。困難な家庭状況による複数の疾患に悩まされるなか、独学で学んだセラピー、カウンセリング、コーチングを10年以上実践し続ける。「奇跡の心理カウンセラー」と呼ばれメディア出演オファーも殺到。著書に『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書』『書くだけで人生が変わる自己肯定感ノート』『自己肯定感diary 運命を変える日記』(すべてSBクリエイティブ)、『1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド』(マガジンハウス)、『習慣化は自己肯定感が10割』(学研プラス)などがある。 ---------- ---------- 澤 円(さわ・まどか) 圓窓 代表取締役 1969年生まれ、千葉県出身。株式会社圓窓代表取締役。立教大学経済学部卒業後、生命保険会社のIT子会社を経て、1997年にマイクロソフト(現・日本マイクロソフト)に入社。情報コンサルタント、プリセールスSE、競合対策専門営業チームマネージャー、クラウドプラットフォーム営業本部長などを歴任し、2011年にマイクロソフトテクノロジーセンター長に就任。業務執行役員を経て、2020年に退社。2006年には、世界中のマイクロソフト社員のなかで卓越した社員にのみビル・ゲイツ氏が授与する「Chairman's Award」を受賞した。現在は、自身の法人の代表を務めながら、琉球大学客員教授、武蔵野大学専任教員の他にも、スタートアップ企業の顧問やNPOのメンター、またはセミナー・講演活動を行うなど幅広く活躍中。2020年3月より、日立製作所の「Lumada Innovation Evangelist」としての活動も開始。主な著書に『メタ思考』(大和書房)、『「やめる」という選択』(日経BP)、『「疑う」からはじめる。』(アスコム)、『個人力』(プレジデント社)、『メタ思考 「頭のいい人」の思考法を身につける』(大和書房)などがある。 ----------
心理カウンセラー 中島 輝、圓窓 代表取締役 澤 円 構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム) 文=清家茂樹